読書会のことが気になってきたら、まずは向井和美『読書会という幸福』(岩波新書)がいいと思う。翻訳者であり、中高一貫校の図書館司書でもある著者は、海外文学の古典を読む会に参加して29年になる(当時)。また学校の図書館では、学生たちとともに読書会を運営している。 読書会とはどのようなものか、という入門的な話からはじまり、経験に裏打ちされた楽しむためのヒントがつまっている。毎月参加している"ホーム"の読書会のことはもちろん、他の会に参加してみたという「潜入ルポ」もあって、読書会のさまざまなスタイルを知ることできる。 読書会の効用として、自分ひとりでは読み通せない本を読める、日常生活と違う話ができる、…