小説家。 1971年生まれ。
1994年「眠りの海」で第16回小説推理新人賞受賞 1999年「眠りの海」を収録した『MISSING』で単行本デビュー 2000年初の長編『ALONE TOGETHER』を刊行 2002年連作短編集『MOMENT』を刊行 2004年刊行の『真夜中の五分前』が第132回直木賞候補作
本多さん最新ミステリー。今までの本多作品とは少し趣向を変えて、比較的 王道よりの警察ミステリーです。こういう作品も書かれるんだなーと少し新鮮 でした。三作の中編集。他人から「ザ・モブ」と揶揄され、あだ名が『モブモブ』 とつけられてしまう程平凡な顔立ちの和泉と、恐ろしく美人だが対人恐怖症で 他人と会話することができない瀬良、凸凹な刑事二人がコンビを組み、難事件に 挑むバディもの。和泉は平凡を絵に書いたような顔立ちだが、取り調べのスペシャ リストと呼ばれる先輩から教え込まれた聴取術が武器。モデルのような瀬良は 刑事とは思えない程人と接することが苦手だが、類まれな観察眼を持ち、小さな 違和感を見逃さ…
前作のMOMENTの登場人物「森野」が主人公になりました。29歳になった森野は家業の葬儀店を続けておりその後の物語が展開されます。お葬式関連のお話がメイン。 肝臓がんで亡くなった佐伯篤弘さんや脳溢血で亡くなった立花慎三さんの葬儀の後に遺族から謎めいた依頼が森野に降りかかります。いい意味で森野はおせっかいなのでどんどん深みにはまっていくところが楽しいです。 今回読んでいてすっきりした場面は森野が禁煙したところ。前作は喫煙シーンが多くてイライラしていたので森野の禁煙をした描写で好感度が上がりました。今時喫煙シーンを重要シーンに持ってくるとかダサいですから。 森野と神田のその後もわかったのでさらにそ…
病院で掃除のバイトをしている大学生の神田と入院している患者たちとの物語。 しょっちゅう喫煙シーンや煙草を吸うシーンがでてくるのでイライラしっぱなしです。タバコが嫌いな人には地獄のような本です。 重要そうなシーンが喫煙所から始まる時点で嫌な予感はしていましたがここまで煙草がでてくると本をぶん投げたくなります。 出てくる患者はみな個性的。死期が近い有馬さん(病名不明)、喉頭がんの三枝さん、心臓病(病名不明)の今井美子ちゃん、乳がんの上田さん等々。上田さんの生き方が切なすぎる。 森野の存在は不要だった気がします。幼馴染でせっかく神田が人間臭くなるせっかくの相手なのに森野に対しても鈍い神田にイライラ。…
家族の繋がりとか家族の絆とかを 題材にした短編集。 どの物語にも、ちょっと歪だけど 本気で助けあったり、守りあったり、信じあったりできる 素敵な家族たちが登場する。 ハートフルでユーモアもあって 楽しく読み進めることができた。 日曜日のヤドカリの俺と弥生さんの関係が素敵だった。 books.rakuten.co.jp
これまでにRadiotalkに投稿した、あらすじ朗読&一言感想の音声配信を紹介させていただきます! どれも大体2分程度で聴けるものなので、是非聴いてみてくださいね♪ radiotalk.jp 眠りの森 (講談社文庫) [ 東野 圭吾 ]価格: 726 円楽天で詳細を見る radiotalk.jp 鳥人計画 (角川文庫) [ 東野 圭吾 ]価格: 616 円楽天で詳細を見る radiotalk.jp ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫) [ 東野 圭吾 ]価格: 693 円楽天で詳細を見る radiotalk.jp 探偵ガリレオ (文春文庫) [ 東野 圭吾 ]価格: 759 円楽天で詳細を…
アフター・サイレンス (集英社文芸単行本) 作者:本多孝好 集英社 Amazon 対犯罪被害者カウンセラーの高梨唯子は犯罪加害者家族だった。 自分に落ち度はないのに世間から非難される憤りと被害者に対する罪悪感。 やりきれない結末なのに少し希望を感じる。
村上春樹が好きな人というのは多いはずだ。中には村上春樹の小説を全て読み終わってしまったという人もいるかもしれない。僕もそうだったのだけれど、村上春樹の小説を全て読み終わってしまって、次にどんな小説を読んだらいいのかと思った時期があった。 村上春樹が好きな人が好きそうな小説って他にないのだろうかと探していた中で、他にも素晴らしい小説や作家に出会うことができた。 村上春樹好きならきっとこの小説も好きそうだなという小説を10個選んでみたので紹介したい。文体が似ているのもあれば、不思議な雰囲気が似ているもの、登場人物のキャラクターが似ている小説もある。ぜひ、この記事がきっかけで読書の幅を広げてみて欲し…
病院を舞台に生と死を見つめる この本を読んだからといって、生物永遠の課題にピリオドが打てるワケではありません。 でも共感と言うのかな・・・。真摯に他人の生を見つめ思い悩む有様に「あぁ。こういう気持ちを持っているのはオレだけじゃないんだ・・。」と安心させられました。 「死」を迎える。それは誰にでも訪れること。その一面を垣間見せられる良作です。 MOMENT (集英社文庫) 作者:本多孝好 集英社 Amazon
久しぶりの本多作品。タイトルから内容が想像しにくかったですが(これは氏の 作品では珍しくないけど)、とても良かったです。警察内にある、犯罪被害者 やその家族のアフターケアを専門に請け負う、心理カウンセラーの高階唯子の 活躍を描いた連作集です。警察内部にこういう部署があるというのは、実際に あることなんでしょうか。今まで、こういう切り口の作品を読んだことがなかった ので、とても新鮮でしたし、確かに必要な仕事なのは間違いないなと気付かされ ました。もちろん、一般の病院に通う人もいるのでしょうけど、アフターケア としてこういうフォロー部署が警察内にあるというのは、いかにもリアリティが ありますね。学…
★★☆☆☆ あらすじ 詐欺や窃盗で生計を立てる一家。ある日、母親が詐欺に失敗して、一家は窮地に立たされる。110分。 www.youtube.com 感想 父親が一日の窃盗の成果を発表したり、家族で母親の結婚詐欺の設定を考えたりするような一家。それだけでも普通ではないのに、家族が皆、妙に仲が良くて違和感がある。そんな奇妙な家族の過去の出来事が回想され、その理由が少しずつ明らかにされていく。 ただ、次男に関するエピソードの一端は映画冒頭で示されているので、そんなに驚かす気はなかったのかもしれない。この次男に関する仄めかしだけでだいたいの事情は察することが出来るわけだが、なぜかこの後、家族一人一人…