柚木麻子による小説作品。
「大穴(ダイアナ)」という名前、金色に染められたバサバサの髪。自分の全てを否定していた孤独なダイアナに、本の世界と彩子だけが光を与えてくれた。正反対の二人だけど、私たちは一瞬で親友になった。そう、“腹心の友”に――。 http://www.shinchosha.co.jp/book/335531/
「大穴(ダイアナ)」という名前、金色に染められたバサバサの髪。自分の全てを否定していた孤独なダイアナに、本の世界と彩子だけが光を与えてくれた。正反対の二人だけど、私たちは一瞬で親友になった。そう、“腹心の友”に――。
本屋さんのダイアナ
日本でははっきりした主義主張をすると、必ず大勢の敵を作る。(本文より) この著者は去年、開成で採用があったな。 恵泉女学園を描いた『らんたん』もいい。 さて、本作は極上のエンタメ小説ですわ。 ストレスがたまってたまって限界になり そこから胸のすくような流れに持ってく ジェットコースターみたいな落差が最高。 そうきたかーって叫びたくなる意外性も あるから気持ちいいほどよく騙されるよ。 素材文によさげな箇所は少ないんだけど 弾むようにページが進む楽しい作品だな。 発売日は来月21日で間違いなく書店の 目立つ場所に置かれることになるだろう。 文章の難易度は例の分類で、やや難相当。 以下、出版社に送っ…
10時起床。……本当は9時って書いてちょっとだけ見栄を張ろうとしょうもないことも考えていたのですが(そもそも9時起床も遅いと思う)、以前エッセイについての文章のなかに「本当のことを書く」ということが書かれていて、それに感銘を受けた記憶があるので本当のことを書きました(「本当のこと」ってそういうことじゃないと思うけど)。 20ページほどで読み終わりそうだった本を起き抜けで読んでから本を返却するため図書館へ。そういえば先日芥川賞の選評を読んだのですが、とりわけ川上弘美さんの評がよかった。 たいがいの作家たちには、「伝えたいこと」という結論めいたものは、ない、ような気もします。小説で何かを伝えるので…
子供も大人にも深く残る素晴らしい作品。 『本屋さんのダイアナ』柚木麻子 私の呪いを解けるのは、私だけ。「大穴」という名前、金色に染められたパサパサの髪、行方知れずの父親。自分の全てを否定していた孤独なダイアナに、本の世界と同級生の彩子だけが光を与えてくれた。正反対の二人は、一瞬で親友になった。そう、“腹心の友”に―。少女から大人への輝ける瞬間。強さと切なさを紡ぐ長編小説。(Amazonより) 正反対に見られるし見ている鏡のような二人が、近づき離れてまた繋がるまでの物語。 出会いの頃も、距離が遠くなったときも、二人は常に惹かれ合っていて、それは光であるとともに時には影となって自身を覆ってくる。自…
柚木麻子さん『本屋さんのダイアナ』を読んだ。 ダイアナと彩子、二人の少女の成長と友情。二人とも読書が大好きで、物語から力を得たり生きる指針にしている。赤毛のアンが主要なモチーフのひとつになっていて、赤毛のアンが好きな私は随所で「わかる~!」とうなずきながら読んだ。 『本屋さんのダイアナ』においては、自分の力でぐいぐい道を切り開いていくアンではなく、「待っているほう」のダイアナ的存在を肯定してくれるところがいい。少女の多くは、自分のやりたいことにまっすぐ突き進んでいけるアンに憧れながらも、アンにはなれない。でもそれでもいいんだよと、ダイアナ側の少女を勇気づけてくれる。 信念を貫いてぶれない姿勢は…