ランキング参加中邦楽 「今・ここ」の身体と衝動を優先 椎名林檎の初期作品は、後年の東京事変以降と比べても、はっきりと異質な強度を持っている。この強度をどう説明するかについて、私はこれまで「狩猟社会的スタイル」という言葉で整理してきた。これは、固定されたアイデンティティに定住せず、「今・こ こ」において立ち上がる身体と衝動を優先する感性のことである。 まず特徴的なのは、「今・ここ」への徹底した集中である。過去や未来、社会的役割や一貫した自己像といったものは後景に退き、その瞬間における欲望や身体が前面に出てくる。この点は、いくつかの代表曲を見れば明らかである。 初期作品に見るアイデンティティ拒否と…