宮ばしら めぐり逢ひける 時しあれば 別れし春の 恨み残すな 朱雀帝が君主としての過失を 自らお認めになる情を優しくお見せになる🌕 (源氏の君に by 朱雀帝) 〜こうしてめぐり会える時があったのだから あの別れた春の恨みはもう忘れてください 【第13帖 明石 あかし】 しめやかにお話をあそばすうちに夜になった。 十五夜の月の美しく静かなもとで 昔をお忍びになって帝はお心をしめらせておいでになった。 お心細い御様子である。 「音楽をやらせることも近ごろはない。 あなたの琴の音もずいぶん長く聞かなんだね」 と仰せられた時、 わたつみに 沈みうらぶれ ひるの子の 足立たざりし 年は経にけり と源氏…