『帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い』(朴裕河著/朝日新聞出版)について書きたい。これは、以前批評した『和解のために 教科書・慰安婦・靖国・独島』(朴裕河著、佐藤久訳/平凡社ライブラリー)の、「日本軍『慰安婦』問題に関する箇所の続編的なもの」、と言えばいいのだろうか。 この本には批判すべき点が多いのだが、具体的な批判点は『忘却のための「和解」 『帝国の慰安婦』と日本の責任』(鄭栄桓著/世織書房)を参照してもらうとして、今回は『帝国の慰安婦』を読み終わった時に感じたことを簡単に述べる。 筆者の朴裕河(ぱくゆは)氏は、「日本軍『慰安婦』問題解決のために、日本と韓国はどうすればいいのか」、というこ…