座談会「唐代の詩人たち」(初出「無限」昭和42年9月)を中村真一郎対話集1「王朝と江戸」を読んだ。出席者は、草野心平、草森紳一、高橋和巳、西脇順三郎、中村真一郎。このうち、草森紳一という人のことは知らなかったが調べてみたら、実は一部でよく知られた人だった。ただ、早稲田中国文学出身とはいえ、当時まだ29歳の雑誌編集者が中国文学のばりばりの研究者だった高橋和巳(明治大学文学部助教授-->京大文学部助教授)に異論をはさんだりしているのに仰天した。 この座談会は、基本的に高橋和巳が漢詩の歴史そして唐詩の位置づけについて基本的なことを説明し他の出席者がそれにからめて感想を含めた自説を述べる、という構成に…