『東の海神 西の滄海』を読んで ―― 「認められたい」私たちが辿り着く場所 1. はじめに 小野不由美さんの『東の海神(わだつみ) 西の滄海』を読みました。 この作品のテーマは、一般には「王とは何か」という問いで語られることが多いように感じます。実際、尚隆と六太を中心に、理想の統治者や国のあるべき姿が鮮やかに描かれています。 しかし、物語の表のテーマの奥には、私たちにとってより切実な問いが隠されているのではないでしょうか。それは、「人は何によって生きがいを得るのか」「人はなぜこれほどまでに認められたいと思うのか」という問いです。 「『他者承認』と『自己承認欲求』のあり方は、私たちの働き方や生き…