木炭 千七百四十二万俵 薪 三千百万貫 石炭 四十万トン コークス 四万トン ガス 五十億立方尺 ざっとこれだけの燃料を、東京市は一ヶ年中に消費する。 家庭で、あるいは工場で。これだけの資源を費やして、そこから生ずる熱により、東京市の活動は維持されていたという次第。 後藤新平の市長時代に、発表されたデータであった。 もっと詳しく言うならば、実に大正十一年度、「東京市政調査会」発会式に臨んでの後藤がやった演説に、織り込まれていたモノである。 元医師という経歴ゆえか、およそ政策の樹立にも美辞麗句より冷厳たる数字をこそ重んじる、後藤らしさが強く匂い立つだろう。 この内訳中、ガスが占める割合を後藤は増…