ドゥルーズの『差異と反復』の「思考のイマージュ」に倣って, 中学数学が真に開始することができないのは, その開始が「すべての人は空間というものを知っている」という暗黙の前提 (ドグマ) に立っているからだ. と, 思わず呟いてしまいたくなるのは, 以下にある 2021 年度の東京都立高校入試の空間図形の問題の正答率, 問1) 20.2%, 問2) 3.6% を見たときである. 数字をすぐには信用しないことにしているが, これには少々驚いた. 自分で解いていて, 「なんだこれは, サービス問題なのか」と思ったからだ. これが, 前回の大阪府の入試問題ならば, 試験時間も少ないし仕方がないかとまだ…