今回は「意識」のあり方がテーマです。意識というのはさまざまなあり方があって、脳の中だけで完結しているわけではなく、情動、姿勢などを含めた体の状態、体から脳に伝わる感覚情報が意識のあり方に大きく関わっています。 東洋と西洋では意識のあり方が異なり、それが「心」の意味の違い、そして心身一体論的なものの観方と、心身二元論的なものの観方の違いを生んでいる…という点がポイントです。それでは今回の内容に入ります。 3 東洋の身心論による「意識」とは― 主観的・定性的・全体的 ②主観的・定性的・全体的な東洋の心 石川光男(『西と東の生命観』) 東洋的心身一体論を理解する際に気をつけなければならないことは、そ…