2 東洋の連続的自然観と身心一元論― 自然観と心身観の相違より生じた文化の違い ギリシア文化(ヘレニズム)の論理的思考と「神の代りに自然を統御する(人間は自然の主人)」というヘブライズムの融合(=キリスト教)を土台とした西洋思想では、人間は自然の外へ出てしまっていて、そこから自然を客観として見ています。 このような西洋思想を基に成立した近代科学(の考え方)は、客観主義の観点に立ち、物理学的な観察から得たモデルを基本にして、その延長上に生命現象や人間を研究するもの(生物学・近代医学など)です(近代科学は物理学が基盤)。 一方、多種多様な生態系を持つ自然を背景に生まれた東洋的自然観は連続的であり、…