中国宋代のものとされる唐物肩衝茶入。その銘は、茶人でもあった能役者の宮王大夫が所持していたことに由来するという(『古名物記』)。織田信長に仕えた松井友閑が所持していたが、後に羽柴秀吉に献上。大坂の陣後に徳川家康から井伊直孝へ下賜され、井伊家の重宝となった。 朝倉景紀所持の肩衝茶入 松井友閑の茶会と肩衝茶入 羽柴秀吉への献上 井伊直孝への下賜 参考文献 朝倉景紀所持の肩衝茶入 天正五年(1577)四月晦日朝、堺の豪商で茶人の津田宗及は織田信長の家臣・宮内卿法印(松井友閑)の茶会に招かれる。この茶会の床には白地金襴袋におさめられた「かたつき(肩衝)」が四方盆に載せられて飾られており(『津田宗及茶湯…