作家、小説家、(1909-1992) 「探偵小説」を「推理小説」に変換させた原動力となった作家であり、いわゆる「社会派推理小説」の鼻祖である。ただし、作品は、推理小説の枠を越え、さらに歴史研究・昭和史検証にまで及び、非常に多岐に渡る。 デビューが遅く、それまでは長く「下積み人生」をおくってきたため、社会の下層にいる人々に共感した作品が多く、「司馬史観」と対象させて「清張史観」と呼ばれる場合もある。
夜、松本清張「影の車」を観終わってから風呂に入った。 今回は2001年のテレビ版だが、昔同じ原作の1970年映画版を観た。観るたびにいろいろ考えさせられる作品だ。 「影の車」の主人公は、子供時代に、母親の浮気相手を殺してる。大人になって、今度は自分の浮気相手の6歳の息子に「毒薬」を飲まされ驚愕することになる。おれの結論は、大人の苦しみを知ろうとしない子供が一番アホってことだ。昔、おれの近所に不倫してると周りから暗に非難されてる奥さんがいた。不倫が褒められたことでないのはわかりきってるが、他人の不倫にタガが外れた攻撃をする世間というものは、「影の車」の子供のようだ。子供ならまだしも……[松本清張…
『張込み』野村芳太郎監督,松竹,1958.松本清張の小説を読んだことはないのだが,映画やテレビで気が付けば,たいがい見ている.といっても,たいがいの筋は憶えていない. wikipediaでみると『張込み』はこの映画以降,テレビで繰り返しドラマ化されているようで,私はたぶん見ているはずだがこの映画をみても何も思い出さなかった.***若い柚木(大木実)とベテランの下岡(宮口精二)の2人の刑事が強盗殺人の共犯者の男が別れた女のもとに連絡してくるだろうというあたりをつけて,女の家の前にある宿で張込みを続ける,というプロット.その女,さだ子(高峰秀子)は50代くらいの銀行員の後妻として3人の継子育ててい…
2019年8月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 ハンセン病の元患者や家族への差別に対する国の責任を認めた今年6月の熊本地裁判決を、国側が控訴しない方針を7月9日に発表した。患者を隔離し、偏見をなくすための教育を怠った国が責められるのは当然だが、「住民にも責任」という毎日新聞の見出しが目を引いた。 「差別を除去する責任は国だけではなく、『無らい県運動』の実動部隊となった都道府県や住民にもある」という内田博文・九州大学名誉教授のコメントに添えられたタイトルだった。 世界中にはあらゆる差別がある。状況は年々改善されているかに見えるが、トランプ米大統領誕生に象徴されるように、いま…
松本清張氏の『砂の器』(新潮文庫・上下巻)を読みました。この作品は映画やTVドラマで、何度も映像化されているので、ある程度知っていたつもりでしたが、原作はTVドラマと全然違う!というのに驚きました。そして原作本と映像化作品との関係について、考えてしまいました。<目次> 1、ドラマ化をきっかけに原作者が亡くなった件 2、『シャイニング』『惑星ソラリス』 3、『砂の器』はどうなのか 4、タイトルの「砂の器」とは e-honより 1、ドラマ化をきっかけに原作者が亡くなった件 少し前に、TVドラマ化されたコミックの原作者が亡くなるという件がありましたね。通常メディア化というのは、原作者にも、出版社にと…
アカデミー賞は毎年楽しみですけど、いらん騒動抜きでみたいですね 『内海の輪』(1971)監督:斎藤耕一 初見。松山で呉服屋の女将をやっている岩下志麻。東京で考古学者をやり義父の力で将来も安泰な中尾彬。二人は互いに配偶者がいながらダブル不倫生活を満喫していました。今度岡山で発掘調査があるから出てこないか。あらじゃあ尾道あたりでしっぽりと。二人はウキウキしながらそれぞれの家庭を欺いて密会旅行を楽しみますが、出先で嫉妬深いお手伝いさんに不倫現場を激写されたあたりから関係に暗雲が垂れこめます。楽しいはずの旅行が砂を飲んだみたいな重苦しい雰囲気に変わり、男愛しさのあまり「家庭も将来も捨てて自分と一緒にな…
松本清張の代表的1冊 ミステリー好きなら作品名を知らない人がいないであろう名作です。 松本清張と言えば日本のミステリーの原点的な存在であると、私自身はとらえているのですが、数多くある作品の中でも代表的な1冊だと思います。 いわゆる刑事小説ということになりますが、一人の刑事の執念が事件の真実をとらえるまでの道のりを十分に感じることができます。 一見は男女の心中に見えた事象も、殺人事件として真実をあばく様は圧巻です。 ■あらすじ ■粘り強さからきっかけをつかむ ■2人の刑事の関係 ■松本清張の作品イメージ ■まとめ(感想) 【スポンサーリンク】 (adsbygoogle = window.adsb…
点と線松本清張新潮文庫昭和46年5月25日 発行平成15年5月30日 97刷改版平成20年6月10日 120刷 英語の先生に、「情死心中」って「suicide(自殺)」と違うのか?と聞かれて、なんでそんな言葉?!?!って思ったら、読書好きな彼は、『点と線』を読んでいるのだ、と。ほほぅ。なるほど! 情死心中。。。要するに、不倫の挙句心中をはかった男女だろう、、、って思って、「夫婦ではない男女がいっしょに自殺すること」って説明したのだけれど、、、あとから、あれ?ほんとか?って自分の日本語が怪しくなった。「情死」って、広辞苑をひいたら、相愛の男女がいっしょに自殺すること。とでてきた。ってことは、夫婦…
『櫂』を視聴したことで、昔の日本映画を観たくなりました。 まずは『砂の器』。 この映画、1974年だって!うーむ、、 松本清張の有名な作品ですよね。 ・・読んだことないですが; ただ、父の書棚にあったのはおぼえています。 それに、読んだことなくても、『砂の器』の重要ポイントは母から聞いて知っています。東北弁が・・でしょ? ーと、こんな風に視聴を始めたのですが、 この東北弁(劇中ではズーズー弁と言われてたw)が きっとラストのほうでカギとなり、 結果、「あッッ!!」と気づき、犯人にたどり着く。 そんな感じだろなーと思っていました。 が、ですね; わりと早く東北弁の件は判明いたしまして; 重要では…
或る「小倉日記」伝 (新潮文庫―傑作短編集) 松本 清張(著) 本書は、ミステリー作家として名を馳せる以前の、松本清張の純文学的作品を集めた短篇集である。しかし、単なる流行作家の前史的作品集という言葉だけでは括りきれない、重い内容をもった本である。 松本清張といえば、社会派推理小説の分野に一時代を築き、古代史や昭和史などの歴史ノンフィクション、『日本の黒い霧』に代表される疑獄事件ものなど、様々な分野で多大な業績を残した作家として知られている。その膨大な仕事量から、さぞかし若くしてデビューしたのだろうと思いきや、なんとデビューしたのは四十過ぎである。その上しばらくは純文学系の作家として活動し、『…
※本ブログおよび掲載記事は、Google、Amazon、楽天市場のアフィリエイト広告を利用しています。 小説帝銀事件を読むきっかけはこの2本のNHKスペシャルだった。第1部は松本清張の小説帝銀事件が描かれるプロセスを再現したものだ。そこでは清張やその他の関係者が違う犯人の可能性に気づき、肉薄するもそこまで辿り着けなかった模様が描かれている。 www.nhk-ondemand.jp 第2部はその後、歴史に埋もれていた新しい証拠が発掘され、それにより何が明らかになったかが語られ、事件の真相に迫っている。 www.nhk-ondemand.jp 新しい証拠などをみると、真の犯人が誰かは分からないが、…
起 挨拶に代えて このブログも、昨日2024年3月27日で3周年を迎え、4年目に突入することができました。 これもひとえに、読んで、スターを押して、コメントをしていただいた皆さまの、支えによるものです。この場を借りまして御礼申し上げます。 その中には勝手ながら、ブロガーの方の記事やコメントを通じて、時に子供の頃から交流をしていた錯覚に陥ったことも再三ありました。 「3日・3ヶ月・3年」という言葉があります。 「3日我慢すれば3ヶ月は耐えられる。3ヶ月耐えられれば3年は頑張れる。3年耐えられれば一生頑張れる」という意味が一般的です。 中には3年なんで足元にも及ばない、5年10年、それ以上ブログを…
◆赤旗の連載小説『他人屋のゆうれい』(王谷晶*1)が面白いらしい 小松立騎 ◆「赤旗」連載の『他人屋のゆうれい』めちゃくちゃ面白い。王谷晶は筆力のある作家だと思ってはいたけど、今のところ期待以上。直木賞を取ってほしい作家の一人である。 ◆「赤旗」連載小説の「他人屋のゆうれい」、最初はユーモア小説の部類かと思いきや、なんかサスペンス味を帯びてきていて展開が全く読めない。こんなにも続きが気になる新聞小説は初めてかもしれない。 実は日刊紙はしんぶん赤旗|日本共産党しか読んでおらず、小説について無知ですが、党支持者として紹介しておきます。 赤旗の場合「党員作家(多くは失礼ながら、商業出版社には縁が無く…
甲辰年二月十八日。気温摂氏4.2/15.4度。晴。森本哲郎さんが朝のラヂオ(TBS)で自民党裏金につき首相自らの事情聴取から話を始め、岸田について「鈍感であまり深く考えず」「ことの重大性がわからず」進めてしまふことにつき罵るやうに苦言。「国民の理解を得ながら進める」とお題目唱へるが実際には国民の理解からは遠き彼方への船出。岸田が「不気味で怖い」と森本さん。御意。 4月7日に観世能楽堂で開催の観世会春の別会は関根祥丸君が〈道成寺〉披キで楽しみにしてゐたところテケツはネット発売開始ですでに予定数終了。2月定期能の日に窓口で先行発売だつたが、そのときですでに20席くらゐしかなかつたとか。ご宗家、御曹…
合気道の水曜日の稽古は後両手取りからの技をやった。 帰宅して随筆「人間革命」を少し読み継いだ。本書は先に文藝春秋で「池田大作さんと松本清張さんの対談」(古いものの再掲)を読んで触発されて本書と「人間革命」の第一巻を借りてきたものだ。稲城図書館に創価学会広報室寄贈の本が在庫していた。読了していないが返却期限なので概要をかいておきたい。本書は昭和46年(1971年)~1973年に池田大作さんが書いた日録風のエッセイをまとめたものだ。池田大作さんは当時、「人間革命」を第6巻まで書いてきた頃らしい。 <昨年の第六巻の連載は、身体をこわしてしまい、休みやすみの執筆であった。読者の皆様に、ご迷惑をかけたこ…
『戦国権謀』(松本清張短篇全集1、昭和28年)この本のテーマは、徳川家康に仕えた本多正信とその子息の本田正純のことを書いている。題材は歴史小説ということになるが、実際は人間模様を書いている。どの時代においても人の生きるはどんなにか哀しいものであるかを描いている。松本清張という作家は、貧しい育ち、学歴のなさをエネルギーとしてかつ才能として41歳にして立った遅咲きの人である。しかし、17歳~18歳頃から文学的な交流もあり書き続けていた節がある。不思議な作家である。 『「大漢和辞典」の百年」を読んでみると、この本は「襟を正して読みたくなる」本である。学問の元となる辞書、事典の類はこのようにしてなるの…
チャリは快適。一切疲れない。速い。雪は殆どとけた。先日カブのオイル交換を初めて自分でやった。なんとかできた。しかし、バイク屋はみつけないといけない。4月に入ったらツーリングか。TARAKO追悼で、ちびまる子ちゃんをほぼ全巻買った。中古だが。破格に面白い。感動した。少しずつ読んでいこう。最近は割と本読んでいる。全部ノンフィクション。松本清張の「昭和史発掘」。渋い面白い。「将来に対するぼんやりした不安」。
前回取り上げたカズオ・イシグロの『クララとお日さま』について、sumita-mさんのブログが弊ブログへの言及を含む記事を下記記事を公開された。それに触発されて、この小説についてもう少し書くことにした。 ところで、今回の記事のタイトルに【ネタバレ満載】と銘打った。これは、弊ブログの読者の方にはできるだけ本作を予備知識なしでお読みいただきたいと思うからだ。本作はミステリではないし、作者のカズオ・イシグロ自身はネタバレ大いに結構というスタンスらしいのだが、私は本作のあらすじをあらかじめ知ってしまうと大いに興趣が削がれると思った。だから前回の記事では「これくらいは書いておいても大丈夫だろう」と思った箇…
昨夜のNHKスペシャル『未解決事件』で『帝銀事件』の再検証とそれを追っていた作家の松本清張の話を観た。(再放送?) この戦後に起きた事件の裏に、旧日本軍の“闇”が関わっているのでは?、という話。 旧日本軍が“人体実験”の末、開発した毒薬🏴☠️が使われたのでは?、と警察はそこまで掴んでいたのに、何故か、急に犯人を画家の平山貞通を逮捕した。 捜査は、その人体実験をしていた部隊(731部隊)の元隊員に及びかけていたらしい。 (遠藤周作の『海と毒薬』を思い出した) そこまで来て、急に“別方向”からの犯人逮捕。 松本清張は、この捜査の“方向転換”と平沢逮捕を 当時日本を占領していたGHQが裏から指図し…
2006年7月8日〜9月16日 土曜ドラママイ☆ボス マイ☆ヒーロー 2006年7月15日 映画時をかける少女 2006年11月28日 ドラマ役者魂! 第7話 2007年1月20日 特撮ドラマウルトラマンメビウス 第40話 2007年2月21日 映画アイランド タイムズ 2007年3月17日 映画渋谷区円山町 2007年5月8日 ドラマセクシーボイスアンドロボ Voice 5 2007年9月 ショートムービー「スクリーンのなかの銀座〜WOMAN〜」 2007年12月6日 愛と青春のドラマスペシャル姿三四郎 2008年1月15日〜3月11日 火曜ドラマ貧乏男子 ボンビーメン 2008年1月19日…
こんばんは、紫栞です。 今回は、鮎川哲也さんの『りら荘事件』について少し。 あらすじ 荒川の上流、埼玉県と長野県の境にある《りら荘》。レクリエーションの場として学生に開放されているこの寮に、夏期休暇を過ごすため七名の学生がやって来た。 その日から、殺人事件が次々と発生。地元民の転落死を皮切りに、次々と殺されていく《りら荘》の人々。遺体の側には必ずスペードのカードが番号順に置かれていた。 止まらない連続殺人事件。捜査中にもかかわらず繰り返される凶行、掴みきれない犯人像。手詰まりとなった刑事たちは状況を打開するべく、とある男に解決を依頼するが――。 (adsbygoogle = window.ad…
2011年11月29日 映画空色物語「アリと恋文」 2012年2月11日 映画逆転裁判 2012年3月31日 ドラマクルマのふたり〜TOKYO DRIVE STORIES 特別篇「めぐりあう時間」 2012年7月2日〜9月17日 パナソニックドラマシアター浪花少年探偵団 2013年4月5日 スペシャルドラマ女信長 第一夜 2014年1月8日〜3月19日 ドラマ僕のいた時間 2014年3月8日 映画世田谷区, 39丁目 2014年12月6日 松本清張二夜連続ドラマスペシャル松本清張〜坂道の家 2015年4月1日 映画エイプリルフールズ 2015年4月6日 痛快TV スカッとジャパン 2015年4…
いまさらですが、2023年にやりたいことを書いてどれくらい実現したか確認してみました。1年も経ってるので何書いたか自分でもすっかり忘れていた。この記事を1月頭に書く予定でいたら、インフルでダウンして計画が狂いました。 autumnblouverd.hateblo.jp 実現したこと ・歌舞伎、能を見に行った ・バスケ観戦した 実現しなかったこと ・松本清張に会いに行く(旅行) ・香道体験 ・バンジー そういえば、去年の2月頃までは毎月1個くらい目標達成しようと思って頑張っていた。 歌舞伎と能を見に行った後に、体のエネルギーがフル充電されたような感覚になってあらぬ方向へ行きました。 この感覚は時…
どうも、にゃんごろーです。 私、今でこそ普通のおばちゃんになりましたが。 (え?普通じゃないって?Σ(゚д゚lll)) 実はかなりのオタクでしたのよ(ノ∀`) ってなワケで。若かりし頃のオタクぶり?を書いてみます! あ~同じ!分かる~!って人いたら、嬉しいなぁ(*^.^*) *マンガ大好き 少年・少女・青年マンガ、けっこう幅広く読んでたな~ シティハンター、DB、スラダン、るろ剣、ハンター×2、デスノ、はじめの一歩 金田一少年の事件簿、ベルセルク、火の鳥、ブラックジャック…他多数。 少女マンガは作者名で。 池野恋、水沢めぐみ、谷川史子、松本洋子、篠原千絵、野間美由紀 美内すずえ、高階良子…他多…