ことの始まりは、知り合いのMさんが二拠点生活を始めたことだった。1年前、Mさんは自然豊かな土地に週末だけ滞在する家を借りた。別荘である。 その別荘でMさんが窓の外を眺めていたら、柴犬を散歩する男性の姿が。その男性、さっき戻ってきたと思ったらまた同じ犬を連れて散歩に出ていく。週末そこに滞在するたびに見かける。 1日に何回も散歩するなんておかしいなと思いつつ数か月経ったある日、その男性はご近所のブリーダーをしている人だということを知る。Mさんは柴犬の見分けがつかず全部同じ犬だと思い込んでいたのだが、それぞれ違う犬で、1匹ずつ順番に散歩させていたということが分かり、謎の行動もあっという間に笑い話に変…