金木犀の香りが好きだ。金木犀の香りを嗅いで初めて僕のなかで秋がやってくる。最近いろんなところで「〇〇をして初めて僕のなかで秋がやってくる」的発言をしている気がする。総合すると、金木犀をかいで、銀杏を食べて、どんぐりを拾って、燗酒を呑まなければ僕に秋が来ないことになっている。秋の到来条件が多すぎる。 中国では金木犀の花でジャムやシロップを作るという話は以前から知っていた。蒸した餅の上に金木犀のジャムをのせたデザートが中国のある高級料理屋の名物で、そこで会食をしたアメリカ大統領が皿にくっついた餅を箸で持ち上げるのに苦労したみたいな新聞記事を大昔に読んだ記憶があった。 調べてみると日本人によるレシピ…