正徳3年4月16日。舞楽は巳(午前9時)過ぎに終わる。文左衛門はこれを見物する。呉服町に薦僧が揃い、巳(午前9時)過ぎに新左衛門の弟大津丹治郎と太左衛門の子林甚五左衛門が見物していると、桑名町の下西鍛冶町の大工治兵衛の子吉左衛門という浮気者(粗忽者)と争いとなり、2人で吉左衛門を踏みつけた。これは橘屋の足揃の時だとも云々。踏まれた吉左衛門は起き上がり、2人の御目見衆を引き捉えて東側の泥溝へ突っ込んで踏みつけ、衣類も引き裂いて大小も叩き壊すなど無茶をした。丹治は口を少し裂けて血を流し、泥まみれになって髪も乱れた。林甚五左衛門も同じく泥まみれになって鼻の上を少々傷ついた。這いながら帰る際には言うほ…