桜木紫乃

あらすじ（裏表紙より） ｡.ﾟ :✿｡.ﾟ :✿｡.ﾟ :✿｡.ﾟ :✿｡.ﾟ :✿｡.ﾟ :✿｡.ﾟ :✿ 北国の湿原を背にするラブホテル。 生活に締念や倦怠を感じる男と女は”非日常”を求めてその扉を開く・・・・・。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昂揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全７編。第149回直木賞受賞作。

桜木紫乃 無垢の領域（2013年 新潮社） 今年９月に訪れた北海道の釧路が舞台となっているので読んでみた。 黒い釧路川と霧のたちこめる幣舞橋付近の情景がありありと浮かんでくる。 （釧路市幣舞橋 2024年９月撮影） 登場人物の心理描写が執拗に繰り返される。同居する家族間でさえ窺い知れぬ深層心理に背筋が寒くなる思い。何故純香が殺されたのか、この点だけは謎のままだ。 ミステリー小説という見方もあるが、そのトリックは読解力の乏しさからわからなかった。図書館へ返却する前にもう一度一気呵成に読む必要がある。

ブルースRed 桜木紫乃 文藝春秋 (2021年9月24日発売) ブルースRed 作者:桜木 紫乃 文藝春秋 Amazon f.2024/10/5 (2024-82) from amazon site 【誰にも負けなかった釧路の女が、裏切りに抗ってでも、最後に守りたかったもの】 父の死という重い十字架を背負った女・影山莉菜は釧路の街を裏社会から牛耳っていた。だが、かつてのやり方では街を支配できなくなり、後継ぎとして、育ててきた青年も……。多くの裏切りに直面した彼女が、人生の最後に見た景色とは。(解説・宇垣美里) 死に場所を求め、生きる女が、裏切りの果てに辿り着いた終焉の地とは。ブルースに続く、…

桜木紫乃 蛇行する月（2013年 双葉社） 感想その1 不思議なタイトルだと思う。 最後まで読めば、「蛇行する川」となるはず。何故月なのか。 想像力の限界を感じる。 感想その2 蛇行する川の流れつく先である海は、何を表すのか。 果てしなく広がる大海原は、明るい未来か、それとも死後の世界なのか。 これも謎である。 感想その3 残された人生が短くなった今、心の底から幸せだと言えるには、どうすればいいのか。 所与の条件が変え難いものだとすれば、気持ちの切り替えだけで可能なのか。 生命力、生活力の強い登場人物の女性たちから学ばなくてはならない。 いい図書に巡り会えた。

「ホテルローヤル」（桜木紫乃 著）を読みました。 桜木氏の作品は３作目。 moricchan24.hatenablog.com moricchan24.hatenablog.com 第149回直木賞を受賞した作品。文庫本を図書館で見つけて借りてきた。 釧路の湿原を背にして建つラブホテル「ホテルローヤル」。ホテルの利用者、従業員、経営者など、ホテルをめぐる人々を７つの短編にして描いている。 ７編は、現在から過去へ時間をさかのぼるように並べられていて、「ホテルローヤル」の歴史がだんだん明らかになっていく。タイムマシンに乗っている感じで、不思議な感覚だった。 最後の「ギフト」を読み終わり、私は逆の順…

「孤蝶の城」桜木紫乃著は 昨今のようにLGBT問題が取り沙汰されて無かった時代に 性同一性障害であっても そのことを隠すこと無く生きて来た 現在８１歳のカルーセル麻紀さんの自叙伝と言われている本の下巻です。 桜木さんが直木賞を受賞した頃 釧路が同郷で ストリップ好きも同じ。 ２人は意気投合して カルーセルさんの自叙伝を書く流れになったようです。 道内作家・桜木さんの本は デビュー作から何冊かは読んでいるのですが 活字好きで文字に込められた余韻を探りたい私には 面白いけどあっさりし過ぎる作家さんでした。 上巻「緋の河」の主人公・秀男は 生まれたときから小柄で色白の可愛い男の子。 やがて成長してお…

「ヒロイン」（桜木紫乃、毎日新聞出版）は、23歳から17年間にわたる逃亡の物語です。華やかなタイトルと裏腹に、殺人罪の指名手配写真を気にしながら、次々と別人になりすまして世間を欺く長い旅。そこにも男との出会いと死があり、最後にようやく、ヒロインは自らを縛る過去の呪縛から抜けることができます。 生きるとは何か。幸せはどんな姿をしているのか。逃亡の生き様を描くことで、わたしたちの普段の生き方に裏側から光を当て、問いかけているようでもあります。 1995年3月、新興カルト教団による白昼テロが発生しました。実際の事件と教団をモデルにしていることは、だれにも分かります。当日、何も知らされないまま、ただ教…