新潮文庫1981 吉本隆明と中沢新一との対談が難しすぎたため、一度も読んだことのない梅原猛の本をきちんと読んでみたいと思い手に取った「隠された十字架」。 yyy1994.hatenablog.com 聖徳太子ゆかりの寺とされる法隆寺だが、実は太子とその一族の鎮魂のための寺ではないかというのがこの本の論旨。その根拠として例えば、日本において祀られてきたのは政治的敗者や悲惨な最期をとげたものが多いということ。そして太子の息子である山背大兄王ら一族が一網打尽にされたこと、歴史の中での藤原氏の言動を挙げている。 率直に、どうしてこれがベストセラーになったのかと疑問が浮かぶ。「太子の魂よ、〜」「〜思いは…