今年、7月こぶし書房より『自然史の思想と実践的直観』 ~梯明秀と田邉・西田両哲学~ 服部健二著が出版されている。 服部健二氏は梯明秀の直弟子にあたられる。こぶし書房からは「よみがえる梯秀明の思想 日本唯物論史上もっとも独創的な思想家・梯明秀。「ヘーゲル主義の裏返し」という従来の批判をくつがえし、田邉元と西田幾多郎両哲学の批判的継承を基盤に彼の実践的直観の論理を解き明かす。」と紹介されている。 この著書で服部氏は見事に、梯明秀の田邉・西田両哲学とそしてマルクスの「哲学」との学問的苦闘を描き出しているように思う。ファシズム下のきびしい時代の中にあって、そしてその経験を人間的土台にしつつ、唯物論哲学…