東急田園都市線の某駅からタクシーに乗り「吉田拓郎の家まで」と言うと、当時はほぼ間違いなく連れていってくれたものだ。 昭和58年(1983)6月、私はくだんの駅からタクシーで吉田邸を訪ねた。 当時、吉田は女優の浅田美代子と再婚して6年目。 だが、週刊誌に現在の妻である森下愛子との不貞が報じられ、「まあ、男と女だから、行く先はわからないよ」と答えた。 そこで私は吉田本人に真意を確かめるため、この日の来訪となったのだ。 邸宅は小高い丘の上にあった。 といっても、この日で吉田邸を訪問するのは3度目。 うち2度はいずれも留守で、深夜まで家の明かりが灯ることはなかった。 それが夫婦の別居を物語っているよう…