「はじめて物語」の第二弾は、若山三郎『菓商 小説 森永太一郎』(徳間文庫、1997年)。エンゼルマークで知られている森永製菓。その創業者で、「キャラメル王」と称された森永太一郎の一代記。艱難辛苦の連続だった彼の生涯、後世に伝えられるべきさまざまな教訓の数々、アメリカで洋菓子の製造に関わり、習得するまでの道のりなどが描かれています。なお、著者の若山は、本書以外にも、①大倉財閥を創った大倉喜八郎を素材にした『政商』、②セイコーの創設者・服部金太郎を扱った『セイコー王国を築いた男』、③浅野財閥を創業した浅野総一郎を扱った『人われを事業の鬼と呼ぶ』、④東武鉄道を中核とする東武グループ創設者である根津嘉…