植田真平氏の鎌倉公方と関東管領を読んだ。本書は対決の東国史シリーズの一冊で、室町時代の中頃までを鎌倉公方と関東管領という切り口で解説した本だ。 鎌倉公方・関東管領 鎌倉公方と言えば、室町時代にも鎌倉に駐在し、関東に睨みを利かせていた室町幕府の一組織的な感じで理解していた。しかし、この理解は正しくなく、鎌倉御所と室町御所は日本を二分して統治していた。関東は鎌倉御所が、それ以西(時には奥州も)は室町幕府が担当していた。この「鎌倉公方」という言葉は現代の歴史用語で、当時は「鎌倉殿」、「鎌倉御所」、「関東御所」と呼ばれていたようだ。一方関東管領は当時からそのように呼ばれていたようだ。足利家で家政を取り…