《共同責任を負うべきであるのは、中途半端な教養を身につけた大衆が精神的な交わりの世界に加わるようになったこと、道徳的な価値基準がゆるんでしまったこと、そして、技術と組織が社会に与えた伝導率が余りにも大きいものであること、こういう現実である。 教育、良風美俗、伝統による薫陶(くんとう)を欠いた、半ば成人した青年層に固有な精神態度が、あらゆる分野で主導権をその手に収めようとしつつあり、しかも、それが全くやすやすと成功しているのだ。 公の世論が形づくられるすべての分野を支配しているのは、未成年者の気質と青少年団体(クラブ)の知恵である》(J・ホイジンガ『ホモ・ルーデンス 人類文化と遊戯』(中央公論社…