探偵小説作家(1903年(明治36年)8月23日〜1966年(昭和41年)9月22日) 本名:小松保爾 北海道厚田郡厚田村(現・石狩市)生まれ。 ペンネームは、連作探偵小説『楠田匡介の悪党振り』*1から採られた。 1948年(昭和23年) 密室トリックの短篇「雪」が「探偵新聞」(雄鶏社)の懸賞に一等入選。 1948年(昭和23年) 「探偵小説新人会」を高木彬光、香山滋、山田風太郎、島田一男、岩田賛らと結成。 司法保護司を長年務めていた経験を活かした脱獄トリックが多い。
http://homepage3.nifty.com/DS_page/kusuda/list.htm
*1:「第一話 火傷をした楠田匡介」大下宇陀児、「第二話 笑ふ楠田匡介」水谷準、「第三話 人肉の腸詰」妹尾韶夫(アキ夫)、「第四話 流れ三つ星」角田喜久雄、「第五話 一枚の地図」山本禾太郎、「第六話 唄ふ楠田匡介」延原謙
●来月、横溝正史読書会を計画している。課題図書は「貸しボート十三号」である。この作品を表題作とする角川文庫には他に二編収録されているので、せっかくだからそっちも読むことにする。今日はひとまず、「堕ちたる天女」を読んだ。 内容をすっかり忘れていたのだが、複数の情報をそれぞれカモフラージュするための複数の仕掛けがあって、予想以上に盛り沢山であった。等々力警部と磯川警部の顔合わせなんて読者サービスもある。ストーリーとは関係ないけれども、驚きの表現がやけに豊富なのが面白い。横溝作品ではおなじみの真っ赤にやけた鉄串以外に、重い鈍器で後頭部へ一撃を受けたような、太い棍棒でぶんなぐられたような、耳のそばでダ…
●今読んでいる長大な小説を明日には読了できる予定だったが、そうもいかなくなった。思いの外野暮用が多く、読書時間を確保できなかった。それに、はっきりいってあまり面白くないからページをめくる手が止まりがちだし。 ●注文していた本が二方面から届いた。『稲妻左近捕物帳 第二巻 女殺し定九郎』 九鬼紫郎 捕物出版『駐在日記』 楠田匡介 湘南探偵倶楽部 ●今月の総括。買った本:九冊読んだ本:十冊
絞首台の下長門裕之Amazon 基本情報 絞首台の下 ★★☆ 1959 スコープサイズ 91分 @アマプラ 企画:岩井金男 原作:楠田匡介 脚本:高岩肇 撮影:横山実 照明:安藤真之助 美術:佐谷晃能 音楽:小杉太一郎 監督:西河克己 感想 ■幼なじみから手紙が来たけど、彼は刑務所の中だった。しかも、誰かの手引で脱獄したかと思ったら、今度は何者かによって拉致されているらしい。心配だけどとても私の手には負えないから、トップ屋のおじさんと法医学者の彼女の熱々カップルに任せて、私は北海道に帰ります!■という、稲垣美穂子のエピソードからお話が始まるのだけど、実質の主役は長門裕之と渡辺美佐子の探偵カップ…
●『続・相良一平捕物帳』 森達二郎 春陽文庫 読了。 なんともそつなく書かれた通俗娯楽時代劇。主人公は同心の相良一平で、目明かしの太鼓松とその手下合点庄次とが子分格である。馴染みの川魚料理屋菊水の、看板娘お利江が相良一平にすっかりホの字にレの字てえのが、まあお約束。 四人の掛け合いが手慣れた感じで書かれていて、まるでホームコメディの味わいである。他にも目明しに憧れる新太少年や、太鼓松のさらに手下である吉と竹なんかもレギュラーメンバーで、相良ファミリーとも言うべき一団の活躍が描かれる。 想定読者は成人男性だったろうから、当然のようにお色気も散りばめられている。悪人達が仲間内でべらべら喋っているの…
『天城一の密室犯罪学教程』を読み返した。その備忘録として教程ならびに密室作法〔改訂〕で紹介されている作品を以下にリストアップする。この際、邦題は最新のものに揃え、またリストはトリック別によるネタバレを回避するために登場順ではなく五十音順に並び替えた。 密室犯罪学教程 理論編 国内作品 天城一「不思議の国の犯罪」 天城一「朽木教授の幽霊」 天城一「高天原の犯罪」 鮎川哲也「白い密室」 鮎川哲也「赤い密室」 小栗虫太郎「完全犯罪」 楠田匡介「雪」 島久平「硝子の家」 高木彬光「妖婦の宿」 渡辺剣次「悪魔の映像」 海外作品 J・D・カー「妖魔の森の家」 イズレイル・ザングウィル『ビッグ・ボウの殺人』…
芥川賞を取って以降の生活は「一私小説書きの日乗」で(一部改変もあるとはいえ)作家自身により明らかにされているので、それ以前の年譜を作成してみた。限られた資料に基づくため、もちろん正確でない部分もあろうし、私小説の内容に基づく記載はフィクションの可能性もあるが、基本的には事実とみなして記載した。だから厳密には西村賢太ではなく「北町貫多」の年譜といえるかもしれない。 新事実が判明したら随時更新予定。 1932年(昭和7年) 1月29日、午前4時ころ、作家・藤澤清造、芝公園六角堂にて凍死。満42歳3か月。 1月30日、身元不明者として桐ケ谷火葬場で荼毘に付される。 2月18日、増上寺別院にて告別式。…