1968年生まれ。比較文化学者。 東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。学術博士。 同志社大学言語文化教育研究センター助教授を経て、中央大学文学部教授。 著書『楽人の都・上海―近代中国における西洋音楽の受容』(研文出版、1998年)でサントリー学芸賞、日本比較文学会賞を受賞。『上海オーケストラ物語』で島田謹二学芸賞受賞。
2020年春から始まった科研基盤Bの共同研究、コロナと時期を一にしたため、海外渡航もできず、どうなることかと思っていましたが、幸い、仏語新聞と2019年に資料調査した外交文書など大量のデータがあり、作業は地道に続けることができました。 そして、ようやく、今月末にその研究成果が刊行されます。 榎本泰子・森本頼子・藤野志織編 「上海フランス租界への招待 — 日仏中三か国の文化交流」勉誠出版。 目次は次の通りです。音楽学からも5名が執筆陣に。そのほか外交史、美術史、比較文化、文学など多彩な執筆陣が力作をお寄せくださいました。(井口) はじめに 上海フランス租界への招待 榎本泰子「東洋のパリ」上海フラ…
書誌情報:中公新書(1950),200頁,本体価格740円,2008年5月25日発行不平等国家中国: 自己否定した社会主義のゆくえ (中公新書 1950)作者:園田 茂人中央公論新社Amazonあえてすこし前の中国論を読んでみた。社会主義革命によって「止揚」した階級社会が市場経済化の波によって学歴や都市・農民戸籍,男女平等,都市中間層に新しい格差をもたらしていることを分析している。類書と異なる特徴は,実際に手掛けた都市調査,基層選挙調査,外来人口調査,都市住民調査などをもとにしていることである。 社会主義建設過程で国家権力による上からの平等化を教育,職業,所得で実現したはずの中国が,社会主義と…
書誌情報:文藝春秋,709頁,本体価格7,000円,2023年9月30日発行資本論を読破する作者:鎌倉 孝夫,佐藤 優文藝春秋Amazon「20世紀の日本が誇る知的遺産である(実際にアメリカやカナダでは宇野経済学についての研究書がいくつも出ている)宇野弘蔵の知的遺産が21世紀に途絶えないようにすること」(「はじめに」5ページ)を目的に,『週刊金曜日』主催の『資本論』講座のうち,同第1巻分全18回をまとめたもの。 『資本論』第1巻の構成にしたがい,その概説と宇野理論とのかかわり,『資本論』の現代的意味などを話し言葉で大著に仕立てた。『資本論』における自然科学の例解について,それはあくまで「類比,…