美人魔:渡辺黙禅 1910年(明43)樋口隆文館刊、前後全2巻。 時代は明治末期、日清戦争直後の頃。横浜の花柳街として有名な真砂町の貸家に入居を申し込んできたのは、目の覚めるような美貌の芸妓上がりのような若い女性。金に糸目をつけず、単独で次々と交渉をまとめて行く姿は謎だらけだった。彼女はすぐに待合の営業許可を取りつける。不審に思った家主は遊び人の甥や、その友人に頼んで、その内情を偵察させるが、いずれも失敗する。まもなくこの女に財産を掠め盗られたと称する男が田舎からやって来るが、別の三百代言の男に騙されて有金を取られて絶望する中で、殺人事件が起きる。 簡単に言ってしまえば、美貌を武器に、寄ってく…