秋はそぞろに…… 本当はもっと豊かに過ごしたいのです。とらうとさんが紹介してくれたように、「まなこを閉じて想いみる」べき秋がそこにあるのですから。柔らかな光、青く澄んだ空、日に日にしゃれた造形で遊ぶ白い雲たち。その後には、ばら色とも茜色とも呼びたいような夕焼けが西の空を飾ります。千万の虫の音が野原に響きます。やがて満月が登り始めると、どこからかバッハのシャコンヌが聞こえてくる気がします(実はこれが、私の独り善がりな月見スタイルなのですが)。まことに秋は美しく、そぞろに心を動かすのです。 しかしどうも気になります。ウクライナとロシアは益々泥沼に這入りこみ、お互いに最大級の憎悪の炎を投げかけていま…