「橘の家」は、2025年三島由紀夫賞受賞作です。三島賞は「文学の前途を拓く新鋭の作品一篇を表彰するもの」で、新潮社が主宰しています。 【作品のあらすじ】 橘の木が庭に植わっている一軒家で暮らす守口家。恵実(めぐみ)は幼児期に二階のベランダから転落するが、橘の木がクッションとなって、顔の切り傷と引き換えに命拾いした経験を持ちます。いつごろからか、恵実が成長するとともに、橘の木を拝んだ上で恵実が女性のおなかに触れると子どもを授かれるという噂が広がり、占い師の宮根さんが沢山の女性を連れてくるようになりました。母と恵実は訪れる女性たちからの謝礼金で生計を立てるようになり、父と兄は家を出ていきます。その…