空港ロビーの照明は、夜が深まるにつれてどこか蒼く沈んでいった。🌙 「欠航です。明日の便をご利用ください」 表示板にその文字が出たとき、夫は小さく息を吸い、妻はわずかにまばたきを増やした。 夫には翌朝どうしても外せない予定があった。雪は静かに、すべての段取りを覆していく。❄️ 夫はスマートフォンを開き、新幹線や乗り継ぎルートを慣れた指で素早く探し始めた。 「このルートなら、間に合うかもしれない」 低く抑えた声が落ちる。 妻はその横にそっと寄り、画面をのぞき込むようにして思いついた案を柔らかく口にした。 「ねえ、こういう行き方もあるんじゃない?」 夫を助けたい気持ちがそのまま形になった提案だった。…