ナチスと薬物使用の矛盾 ナチス政権は「純粋さ」と「規律」を掲げる一方で、薬物を軍事利用していたという大きな矛盾を抱えていました。表向きは禁煙・禁酒・禁薬を徹底し、理想的な国民像を演出していたにもかかわらず、裏では覚醒剤をはじめとする薬物が組織的に使用されていたのです。 1. 表向きの禁薬政策と実態 1933年に政権を握ったナチスは、最初の政策のひとつとして「反ドラッグ政策」を打ち出しました。ベルリンの退廃文化や自由な薬物使用を敵視し、薬物使用者を社会から排除することで国民を統制しようとしたのです。とりわけユダヤ人や共産主義者は「毒」とされ、薬物依存は退廃の象徴として攻撃されました。 ヒトラー自…