「死刑のある国で生きる」宮下洋一 <所感> 「欧米諸国が人権の観点で死刑を廃止している。その潮流に合わせて日本も死刑を廃止すべき」という声がある。 果たしてそれが唯一の解なのかと考えさせてくれる本。 特に著者が指摘するのは欧米(の先進国)と日本の死生観の違いだ。 この違いは主に両者の主流の宗教に基づくものであり、他には文化・慣習の影響も大きい。 こういった点を軽視しし、潮流に合わせるべきというのは価値観の押し付けと言えるだろう。 西洋諸国が言うところの「人権」は全世界に適用される普遍的なものか? どんなものにも理念と行動には矛盾がある。本書が指摘するフランスの現場射殺はこの典型例だ。 そういえ…