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比嘉加津夫

(一般)
ひがかつお

1944年12月12日久志村(現在の名護市)字久志に生まれる。沖縄大学文学部中退。在学中、沖大文学研究会を立ち上げ機関紙『発想』を創刊、沖縄の現代絵画、現代詩などを取り上げる。清田政信評論集『流離と不可能性』(1970年7月)を沖大文学研究会から発行。『発想』は8号まで出るが、7号までの編集にたずさわる。8号の発行は「発想編集部」。
1972年業界新聞社に入社。その年から不定期で個人誌『脈』を発行。5号から年4回発行にこぎつける。24号からは同人誌になり、特集ページに力を入れる。

1964年、11月『作品集』1号を出す。短編「叫ぶ羊群」「頽唐せる青年」「山椒魚の青年」等掲載。
1965年、7月 『作品集』2号刊。短編「不満足な時代」、詩6編掲載。大江健三郎が沖縄講演にみえたため、ホテルまで訪ね、無理に「比嘉加津夫作品集」の文字を書いてもらう。
『作品集』3号「跳ぶ仔達の群れ」刊。
1966年、3月 沖縄文芸会を立ち上げ『沖縄文藝』創刊号刊。短編「われらが憂鬱な日々」を収録。同人名簿には比嘉のほかにたいら・しのぶ、上原道子、金城敏夫、勝連敏男、高宮城宏、仲村清、多和田辰雄、仲地裕子が載っている。1号で廃刊になる。
1967年、3月 『作品集』4号「無償性の反抗」刊。
1969年、4月 沖大文学研究会を立ち上げ、『発想』創刊号〜3号まで出す。2号まではガリ版印刷で3号から活版印刷になる。3号(12月)に短編「時間が魔物のように脅かす」を書く。また「沖縄における芸術運動の情況」を特集、清田政信が「帰還と脱出」、勝連繁雄が「詩と現代試論」、勝連敏男が「何に似て自滅すればよい?」、川満信一が「詩と思想」を執筆。
1970年、6月、『発想』4号に短編「死者埋葬簿」を執筆。特集は「清田政信」で勝連敏男と清田政信が対談、ほかに岡本定勝、東風平恵典、宮里安男、新城兵一、新川明が執筆。
1972年、3月、『発想』7号に「島尾敏雄論の試み」を執筆。 8月、個人誌『脈』創刊号刊、掌編「血」「脈」「妖精」、エッセイ「断片・島尾敏雄と小川国夫に触れながら」を収める。
1973年、4月、『脈』2号刊。詩「海への道」、掌編「川の淵」、清田政信の寄稿などで構成。
1977年、12月、『脈』3号刊。短編「事件」、エッセイ「松原敏夫詩集『那覇午前零時』を読んで」を収録。
1978年、2月、詩集『記憶の淵』を発行。勝連敏男が解説を書く。3月『脈』4号刊、「島尾敏雄論の試み6、「詩人の体験・川満信一詩集を読んで」、清田政信の寄稿で構成。
1981年、2月『脈』5号刊。この号より印刷所を活用、季刊号とする。5号は詩9編、掌編「犀」「島尾敏雄風に島尾敏雄を1」を収録。5月、6号刊、詩10篇、掌編「巡礼者」「島尾敏雄風に島尾敏雄を2」を収録。8月、7号刊、詩10篇、掌編「走る馬」「島尾敏雄風に島尾敏雄を3」を収録。11月、8号刊、詩10篇、掌編「夏かぜ」「島尾敏雄風に島尾敏雄を4」を収録。
1982年、第16回沖縄タイムス芸術選奨奨励賞。2月『脈』9号刊、詩10篇、掌編「浮沈」「島尾敏雄の原世界1」を収録。5月、10号刊、詩10篇、掌編「朝子」「島尾敏雄の原世界2」を収録、この号より個人編集誌とし、数名の原稿も掲載。8月、11号刊、詩6篇、掌編「決潰」「島尾敏雄の原世界3」などで構成。11月、12号刊、詩6篇、「島尾敏雄の原世界4」など収録。
1983年、2月、『脈』13号刊、詩4篇、掌編「朔太郎の夢」「島尾敏雄の原世界5」など収録。5月、14号刊、詩8篇、掌編「虚壊」「島尾敏雄論1」など収録。8月、15号刊、詩7篇、掌編「細胞」「島尾敏雄論2」など収録。9月、『通信・路地』を13部私家版で出す。これは1982年4月から1983年9月まで脈定期購読者に送っていた101号までを縮刷版風にまとめたもの。11月、沖縄文学同人アンソロジー『背光と影』に「走る馬」を発表。同月『脈』16号刊、詩12篇、掌編「診療室にて」「島尾敏雄論3」など収録。
1984年、1月から12月まで金城哲雄、高安昇、照屋全芳、比嘉加津夫4名で毎月短編小説の同人誌『環』を出す。表紙絵、カットは大浜英治、屋富祖盛美が担当。2月、『脈』17号刊、詩9篇、掌編「虚空」「島尾敏雄論4」など5収録。5月、18号刊、詩4篇、掌編「らいてう」「神谷厚輝との往復書簡・上」など収録。8月、19号刊、詩3篇、「神谷厚輝との往復書簡・下」など収録。11月、20号刊、詩16篇、「島尾敏雄論5」など収録。
1985年、2月、『脈』21号刊、詩7篇、掌編「旅愁」「島尾敏雄論6」など収録。5月、22号刊、詩5篇、「島尾敏雄論7」「岩谷征捷との往復書簡1」など収録。7月、永山信春と詩画集『流され王』を発行。芹沢俊介が解説を書く。8月、『脈』23号刊、「平敷屋朝敏特集」詩、「岩谷征捷との往復書簡2」など。8月『脈』を24号から同人誌にする。同人は又吉洋士、仲本瑩、西銘郁和に比嘉。「岩谷征捷との往復書簡3」など。
1986年、4月、『脈通信』をまとめる。これは同人誌への移行後、定期購読者に送っていたもの。1985年8月から1986年4月までの10号分。8月、評論集『喩の水源』を発行。8月から1987年7月までの1年間、仲本瑩が中心になって、勝連敏男を含め3名で『月刊 症候詩』を発行。
1987年、2月『島尾敏雄』を発行。
1989年、12月『逆光の画家田中一村』を発行。
1991年から『比嘉加津夫文庫』1〜20巻を脈発行所から刊行。これは、1964年から1990年ごろまで雑誌類に発表したものに加筆訂正してまとめたもの。すでに本になっているものは除外した。
1巻 詩集『ゴッホの伝記』1991年11月
2巻 詩集『溶ける風』1991年11月
3巻 詩集『アジアの少女』1991年11月
4巻 詩集『一角獣の塔』1991年11月
5巻 詩集『詩はどこにあるか』1991年11月
6巻 詩集『人形の家』1991年11月
7巻 短編集『朔太郎の夢』1992年2月
8巻 短編集『川岸で』1991年3月
9巻 短編集『走る馬』1991年8月
10巻 短編集『葬儀』1991年8月
11巻 短編集『桂林人』1991年8月
12巻 短編集『鬼女』1991年3月
13巻 評論集『島尾敏雄の原世界』1991年8月
14巻 評論集『島尾敏雄ノート』1991年5月
15巻 評論集『書簡・島尾敏雄』1991年5月
16巻 評論集『平敷屋朝敏』(上)1991年7月
17巻 評論集『平敷屋朝敏』(下)1991年7月
18巻 評論集『玉城朝薫・平敷屋朝敏』1991年7月
19巻 評論集『文学私註』1991年12月
20巻 評論集『同人誌の時代』1991年12月
平行して『沖縄現代詩文庫』1〜10巻、『沖縄現代俳句文庫』1〜10巻を脈発行所で発行。
1993年、11月 個人詩画集『春は風に乗って』、『MODEL』、評論集『沖縄の民謡と古謡』、12月『噴射する言葉』を発行。

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