と心がけることは、本当に難しい。先人たちが残した言葉にもこのようなことを指し示すものが多いことからも、人間誰しもが行き当たるところなのだろう。 ブラジリアン柔術の全日本マスターという大会に出て、初戦で敗退した。試合終了三十秒前までポイントリードしていて、「良い」状態であった。そこで勢い付けて、さらに攻めに行った。あと三十秒守るという選択肢もあったはずだが、頭の中にあったのは「攻撃は最大の防御」という言葉だった。ときにはそれも正解なのだろうが、今回は違った。逆に腕を取られて極められた。腕ひしぎ逆十字という有名な技だ。あと数秒という思いから、タップ(参ったの意思表示)も遅くなってしまった。肘からバ…