『週刊金曜日』2018年10月5日号 DMZとは、朝鮮半島南北の軍事境界線にある非武装地帯だ。朝鮮戦争時に地雷が埋められ、この地帯には約1万人分の遺骨が不明だという。4月の板門店宣言を受けて敵対行為除去の先行行動として地雷除去が進んでいる。 「地雷だ!」 錆びた鉄の塊を掘り起こした金基皓氏が、同行していた筆者を慌てて制止した。レンガくらいの直方体の物体は、米軍が第2次大戦で多用した対人地雷の「M3」。地雷上部に差し込まれた細い筒状の信管の先端に、3本の突起物が見えた。これを踏むと地雷が爆発し、鉄の塊を粉々に吹き飛ばして人を殺傷する。被害範囲は半径10メートルに及ぶという。民間で地雷除去活動を続…