信頼関係が崩壊する「形だけ」のコミュニケーション 話をきくという漢字には「聞く」と「聴く」という漢字がある。辞書的には「聞く」は、音が自然に耳に入ってくること、「聴く」は、意識を集中させて注意深く耳を傾けることを指すとされる。「hear」と「listen」といえばニュアンスがわかりやすい。 「形だけ」のコミュニケーションを定義するとすれば、内容や心は伴わず、表面的な形式や儀礼だけを整えるやり取りのことだ。「hear」の方である。具体的には以下のようなやり取りがあげられる。 廊下ですれ違った際などに、目も合わせず、ただ「お疲れ様です」と言うだけで、相手の状況や気持ちにはまったく関心を払わないもの…