「言志四録」(三) 言志晩録佐藤一斎川上正光全訳注講談社学術文庫1980年5月10日 第一刷発行 今日は、言志四録から。 8 沈静なる者と快活なる者 人と為り鎮静なる者は、工夫尤も(もっとも)宜しく事情の練磨を勉む(つとむ)べし。快活なる者は、則ち工夫宜しく静坐修養(せいざしゅうよう)を忘れざるべし。其の実、動、静は二に非ず。姑く(しばらく)病に因って之に薬するなり。則ち是れ沈潜(ちんせん)なるは剛を克め(おさめ)、高明なるは柔もて修克むるなり。 訳文 人柄が沈みがちで静かな人は、精神修養の工夫をするのには、実際の仕事に当たって鍛錬するのがよい。 快活で落ち着きの少ない人は、静坐沈思する修養工…