鎌倉時代中期、仮名まじり文で書かれた仏教説話集。十巻、説話の数は150話前後。無住道暁が編纂。弘安2年(1279年)に起筆、同6年(1283年)成立。その後も絶えず加筆され、それぞれの段階で伝本が流布し異本が多い。記述量の多い広本系と、少ない略本系に分類される。
「おもしろい古文の世界」シリーズは今回から、和歌に入っていきましょう。和歌っておもしろい!っていのが今回の目標です。
7月14日のブログで「私の映画の原点」を書いたが、今日は俳句について書いてみたい。 高校2年の時、担任の先生が結婚したので、歳の差のある若い奥さんをみるためにその先生の家に行こうということになった。家と言っても無住法師の「沙石集」のある由緒ある寺(名古屋市東区の長母寺)である。 長母寺と当時のクラスメイト(住職の右2人目が私) 奥さんを見るのが目的であり、とりあえず寺の中へ入ることにした。奥さんがお茶を出してくださり目的は達成したので、あとは矢田川の河川敷でソフトボールをして帰るつもりが、先生の提案により、折角なので一人一句ずつ俳句を作って発表することになった。 句会?(長母寺にて) 今は小学…
お彼岸が近づいてきて、少しずつ過ごしやすくなってきました。 秋の草花も咲き始めています。相変わらず雑草の生長は早いですね。仏様のお顔が見えるよう草むしりをしなければ。。。 さて、今月の私の文章は、引き続き「時間」をテーマに、永久の彼方まで続く未来と、人間としての「誠の道」について書いてみたものです。よろしければ、お読みいただけますと幸いです。 ※ ※「法の水茎」99(2020年9月記) 実るほど頭を垂れる稲穂かな 黄金色に染まった稲穂が、秋の日差しに輝きながら刈り取りの時を待っています。季節は待ちに待った秋の収穫期を迎えました。 9月の異名「長月」は、夜の時間が長くなる「夜長月(よながつき)」…
梅雨らしい一日です。お参りの方はいらっしゃいませんでしたが…… 大きな純白の傘が、寄り添って花開いていました。 今月の私の文章は、引き続き「時間」をテーマに、過去・現在・未来の三世について書いてみたものです。よろしければ、お読みいただけますと幸いです。 ※ ※「法の水茎」96(2020年6月記) 梅雨期を迎えて、曇りや雨の日が続いています。日によっては、今にも降り出しそうな梅雨雲が、季節外れの冷え込みを運んでくる場合もあります。皆さまにおかれましては、くれぐれも体調を崩されませぬよう、引き続きご自愛いただければと思います。 つくづくと 軒の雫を ながめつつ 日をのみ暮らす 五月雨の頃 (西行『…
日だまりで福寿草が顔を出しています。 福寿草(フクジュソウ) 花言葉は「永久の幸福」。春と幸せを告げる黄色い花です。今月の私の文章は、引き続き「時間」をテーマに、「心の鬼」の追い払い方や、今この一瞬に目を向けることの大切さについて書いたものです。よろしければ、お読みいただけますと幸いです。 ※ ※「法の水茎」92(2020年2月記) 「鬼は外、福は内」 新たな春を前にして、大きな掛け声が響き渡ります。2月3日の節分は、冬の最後を飾る日。皆さまの心の中には、どのような思いが芽生えていらっしゃるでしょうか。 年ごとに 人はやらへど 目に見えぬ 心の鬼は ゆく方もなし (異本『賀茂保憲女集』)(毎年…
台風が過ぎ去って、強風が残っています。 コスモス コスモス(秋桜)も大きく風に揺れています。短日植物の代表の一つとされるコスモス。少しずつ日が短くなっていることを教えてくれます。 【短日植物】 日照時間が短くなると花をつける植物。キク・コスモス・イネなどで、夏から秋にかけて開花する植物に多い。 【長日植物】 日照時間が長くなると花をつける植物。暗期が一定時間以下になると花芽を形成する。ホウレンソウ・アブラナ・小麦など、春から夏にかけて花の咲く植物に多い。 『デジタル大辞泉』「短日植物」「長日植物」の項 さて、今回の『高尾山報』の文章は、引き続き「時間」をテーマに、短い秋を感じながら、「真の幸福…
皆さんこんにちは。「里得木」です。先日、受験した全国統一中学生テストについて詳しくわかりやすく紹介します。初めて3600字を超えました。学年がバレる覚悟で書きました。ぜひ、最後まで読んでください。 目次 ①はじめに ②意気込み ③全国統一中学生テストの特徴 ④教科ごとの内容・感想 ⑤全体を振り返って ㊙点数公開について ①はじめに 先日、全国統一中学生テストの全学年部門を受験してまいりました。全国統一中学生テストについて 東進は、日本の将来を担う中学生の誰もが受験できるように、全国で「全国統一中学生テスト」を年2回無料で実施しています。模試を受ける目的は、学力を測り志望校の合否を判定することだ…
古文独特の世界観を現代人ならではのツッコミを入れながら楽しく学んでいきましょう!! さて、今回の作品はツッコミ古文の聖典「沙石集」のエピソードである『無言上人事』です。どうぞお楽しみください! 【このお話のツッコミポイント】 いや、お前も喋るんか~い! 『原文(入試用問題文)』 (山寺の僧が)四人座を並べて、七日の無言を始む。承仕(※)一人を道場に出入りしける。ここに、更たけ夜ふけて、灯の消えんとしけるを、下座の僧、 「承仕、火かきあげよ」 と言ふを聞きて、次の座の僧、 「無言の道場にして、もの申す様候(さうら)はず」 と言ふ。第三座の僧、二人ともにもの言ふこと不思議におぼえて、 「狂はしたう…
『西遊記』は何度かテレビドラマ化されたが、私にとって印象が強いのは堺正章主演のものである。 というより堺正章主演のものしか観ていないのだが、CG技術が発達してからの『西遊記』を観る気は私には起こらなかった。それよりゴダイゴの『ガンダーラ』のエンディングの方が、古びたフィルムによる映像であっても観たかった。 西安の大雁塔や雲崗の石仏、砂漠を行くキャラバンなどは、アジア世界への憧れを狂おしいほどに掻き立てるものだった。 砂漠に対する憧れは、私はかなり長い間持っていた。 今となれば、私の生活で砂漠で生きていけるとは思えないのだが、砂漠は私にとって自分の生きる力の挑戦などではなく、文明への憧れだった。…
「日本古書通信」連載中の高木浩明さんの「古活字探偵事件帖4」が出ました。今回は「見た目にだまされるな!」と題して、要法寺版の沙石集2種について書いています。 京都の寺町にあった日蓮本宗の本山要法寺では、近世初期、仏書を始め史書、軍記、思想書など多様な書物を版行していたらしく、その中に沙石集の古活字版2種があり(さらに慶長15年にも刊行された)、その中の慶長10年刊記のある版は四周双辺、版心は花口魚尾の平仮名交じり10行で、もう1種は無刊記、無辺、版心には書名・巻次・丁付があるだけです。一見、異版のように見えますが、欠損活字を見比べると、巻2から巻5の前半までを別として同版であることが判ったのだ…
土屋有里子さんの『『沙石集』の世界』(あるむ 2022/10)を読みました。沙石集は尾張の長母寺住職を43年間務めた無住(1226-1312)が弘安年間に著し、その後も改訂し続けた仏教説話集です。無住は僧医でもあり、梶原景時の末裔と言われています。幼年時は鎌倉、下野、常陸など関東で育ち、18歳で出家、沙石集のほか雑談集、聖財集を執筆しました。 沙石集も雑談集も饒舌で、説話評論と呼ばれる著者の言論が大量に盛り込まれ、通読するのに体力を要するというか、辟易するというか、なかなか速読できないのですが、挙げられる説話は臨場感もあり、面白いものが多く、後代の笑話や落語の素になったものも少なくありません。…
昭和20年(1945)3月9日夜半から10日未明までの東京大空襲のことは「第24章 東京大炎上の日」に述べてある。 263頁8~11行め、 その間、私の家のものは近所の人たちと共に、すぐ近くの上野寛永寺に避難していた。 十五歳、旧制中学三年最終学期の私は、一人で家の周りをうろついた。ときどき父と兄/に出会った。頭上ではドンドンパチパチが続いているのに、私は怖くなかった。なぜだっ/たか分からない。 先崎家は焼けずに残ったが、高射砲弾の破片が落ちてきたり、寛永寺橋からB29の墜落、そして火の海になった下町一帯を目撃したりしている。 264頁4~9行め、 そのさなか一度だけ恐ろしさを味わったのは、火…
歌詞 古事記 日本書紀 最古の歴史書 万葉集 奈良末期 最古の和歌集 歌物語 伊勢・大和・平中 伊勢は「昔、業平ありけり」 源氏物語に影響を与えた 作り話 竹取 かぐや 宇津保 お琴 落窪 いじめ 源氏は紫 約1000年「あはれ」 狭衣に 堤「虫めづる姫君」 浜松 とりかへばや 夜半の寝覚 土佐は 紀が女になって 蜻蛉 道綱母 旦那が来ない 和泉は敦道 紫は彰子 更級 孝標女 源氏大好き 讃岐典侍は 天皇の看病 十六夜 阿仏尼 訴訟 とはずがたり 自叙伝 説話 今昔 古本 宇治拾遺 発心 鴨 十訓抄 古今著聞 沙石集 無住 古今 後撰 拾遺 後拾遺 金葉 詞花 千載 新古今 勅撰八代集 山家集…
友達のSNSを見て、先月の一件も含めて自分の考えをちゃんと棚卸ししたほうがいいように思って、筆を執る。 でも、そういう話をずっとしたいわけじゃないから、無関係な話もして、それで四部作にしようと思う。 1 割愛の語源 割愛の語源について、知っているだろうか。 割愛とは、本当は省略したいものをやむなく省くことを意味する。なので、省略する行為に加えてその主体の思う「もったいないけど...」という愛おしい気持ちが込められた、愛らしい言葉なのだ。 語源について2つの説がある。 一つは、仏教用語として用いられていたとする説である。 古くは鎌倉時代の仏教説話集たる沙石集。「割愛出家の沙門、何ぞ世財をあらそは…
李知殷(2012.8)「副詞「多分」の史的変遷をめぐって」『立教大学大学院日本文学論叢』12. 要点 「多分」が「大多数」の意から、副詞へと変化する過程について。 中世の「多分」は、「ある集団、物事のなかの多い部分」を表す例が多く、一部、動詞に係る形容動詞的用法と、可能性の強い判断を表す例もある。 又オコノ物ハ多分正直也。(沙石集) 近世には、 「多分に/多分の」の例が現れ、名詞・形容動詞として形態的に「はっきりした用法」が現れる。 副詞の例も引き続きあり、不確かなことを推量する例が新たに現れ、文末表現と結びつく例も見られるようになる。 願の字の筆せいは、たふん、すかうか石すりてあらふ(昨日は…
日本語日本文学コース室に以下の図書をご寄贈いただきました。 まことにありがとうございます。 酒井敏氏著『森鷗外―作品と周辺―』勉誠出版, 253p, 2022年9月. 本体4,500円 土屋有里子氏著『『沙石集』の世界』株式会社あるむ, 229p, 2022年10月. 本体2,600円 ご寄贈本はコース室に配架しております。
【A Aa あ】 ありがた(ありがためいわく);gkn;語幹のみで意味形成している。 うらgkn 占 ウラのみでウラナイの意味あり。連語「ゆめうら」のウラもウラナイのそとである。 【T Ta た】 ちいさ・ちひさ;gkn ssn;小さ;(見出し)小;由来は形容詞「ちいさい」の語幹から。例「人情本・春色恵の花(1836)二「ちいさなる声にて」。1773年の浄瑠璃・いろは蔵三組盃 二では「ドレドレちいさよ。小さ刀伯父におこせと引たくれば」表記。なぜかヒラガナ・漢字込みの両表記が前後の文に含まれている。昔の文献にしては送り仮名「さ」をつけているのは珍しい。「ちいさ+コトバ」からなる連語として、「ちい…
publications.asahi.com マンガ『前科者』に出て来る本。英題はグーグル翻訳。装画『春日権現験記(複写)』(国立国会図書館蔵) 装幀 弾デザイン事務所(澁澤 弾)あとがきあり。巻末に参考文献と【使用テキスト】【掲載画像】 ejje.weblio.jp dot.asahi.com あとがきから読み始めると、ダブリンのチェスター・ビーティー・ライブラリー(アイルランドの鉱山王である同氏コレクションが発祥)から始まり、ダブリンのテンプル・エリアと呼ばれる飲み屋街、ギネスの1パイントのコクのある味わいとクリーミーな泡、等々で、後年大英帝国博物館スタッフから「酔っぱらったアイルランドの…
バテレン追放令 豊臣秀吉1587年神父 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 秀吉のバテレン追放令 (吉利支丹伴天連追放令)。 バテレン追放令(バテレンついほうれい・伴天連追放令)は、1587年7月24日(天正15年6月19日)に豊臣秀吉が筑前箱崎(現・福岡県福岡市東区)において発令したキリスト教宣教と南蛮貿易に関する禁制文書。バテレンとは、ポルトガル語で「神父」の意味のpadreに由来し、英語のfatherとともに、「父親」を意味する印欧祖語に由来する。 原本は『松浦家文書』にあり、長崎県平戸市の松浦史料博物館に所蔵されている。通常、「バテレン追放令」と呼ばれる文書…