中島孤島と恩師坪内逍遙との具体的な関わりは、孤島の著作に逍遙による序文が載せられていたり、逍遙が企画した歴史ものシリーズに孤島が執筆参加していることなどからもうかがい知れるが、さらに具体的な関わりは、逍遙が残した「逍遙日記」からも断片的に知ることができる。 逍遙は出版物を企画して弟子に執筆させることがよくあったが、その際も執筆内容を弟子に任せきりにするのではなく、自ら隅々まで校正の手を入れて関わることが多かったようだ。 たとえば、逍遙の日記には下記のような記述があり、逍遙が弟子が書いたものについて指導を加え、かつ自身もかなりの労力を費やして原稿に手を入れていく様子が手に取るようにうかがえる。 …