春や春坂の上には精神科 庸晃(2007年4月14日記述) 神戸電鉄大村駅…兵庫県三木市大村…ここは妻の生まれ故郷である。金物の町として全国でもそのことの程は知られている町でもある。まだその田舎らしさをすこし残しているここへ夫婦で墓参に帰った。駅は無人である。切符は運転手が受け取る。駅の周りには櫻が咲き誇り静かな中にもまだ汚れきっていないその純白に私は酔った。駅より墓地への道には春の草花が春風に揺れては私たちを迎えてくれるのだ。何年かぶりの夫婦ふたりでの墓参である。墓石の並ぶ周りには土筆がゆったりと立ちその存在のほどを主張。私たちはしばらく見とれていた。花を墓石に飾り合掌すると鶯が鳴いた。…嗚呼…