そんな彼らの発信するニュースや写真を目にするたびに、私は彼らに対する尊敬の念と同時にある種の安堵感のようなものを覚えた。 自分は決して一人ではない――。 サン=テグジュペリが砂漠で墜落し、一滴の水も飲めずに砂の大地をさまよい歩き続けていたときに、遭難しても生きることを諦めなかった僚友のことを考え続けることで自らをつなぎとどめていたように。 私はいつしか所属する組織に寄りかかるのではなく、それぞれの個と個をつなぐ友情という名の命綱を頼りに、この先の人生を切り拓いていけないかと夢想するようになって・・・・・・。(三浦英之『沸騰大陸』集英社、2024) こんばんは。彼らというのは、新聞記者である三浦…