油井正一(1918-1998) ジャズ評論家。1941年慶應義塾大学 法学部卒。1936年頃よりジャズに興味を持ち、たちまちジャズ評論界の草分けにして第一人者の評価を不動のものとした。1996年には勲四等瑞宝章を受賞。 著書に『生きているジャズ史』、 『ジャズの歴史物語』など。
慶應義塾大学三田のアートセンターに、「油井正一・ジャズ・アーカイヴ」として、油井正一がその生涯に集めた総数約10,000点におよぶ夥しい資料や記録が保存されている。
http://www.art-c.keio.ac.jp/Yui/yui-top-j.htm
ジャズに興味を持ったのは大学生になってからである。それまでも映画音楽で、スティングのスコット・ジョプリン、死刑台のエレベーターのマイルス・デイビス、華麗なる賭けのミッシェル・ルグランなどを良いと思ったが、それ以上進展することはなかった。 大学生活の後半に、FM東京の深夜放送で油井正一の「アスペクト・イン・ジャズ」を聴くようになり、急速にジャズに傾倒していった。 油井正一(左)とルイアーム・ストロング(昭和28年) 深夜に聴く油井さんの語り口は紳士的で丁寧であった。紹介する曲に対するリスペクトも感じられ、こちらも引き込まれていった。最初はビッグバンドが好きになり、アーティ・ショウ、ベニー・グッド…