今日読んだのは、梨木香歩『沼地のある森を抜けて』です。 叔母から受け継いだ先祖伝来の「ぬか床」という庶民的(?)なスタートから、途中不一気に不穏な雰囲気になり、最終的に、命のはるかな旅路と新しい生命に託された可能性と夢が描かれるという、壮大で愛おしさに満ちた物語です。 近所のいつも通らない小道をふと通って見たら、いつのまにか遠い場所にさらわれ、翻弄されているうちに深い森に迷い込んだような、なかなかない読書体験でした。 命を産む、とは一体何なのか、長い間悩んでいたのですが、何かしらの救済が与えられたような、そんな気がします。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント…