「法人税がゼロでいい」理論の誤りをこの記事と次の記事で示します。この記事では、「(法人税を含む)資本所得の税率はゼロがいい」理論の誤りを示します。根拠は全て「つくられた格差」(エマニュエル・サエズ、ガブリエル・ズックマン著、光文社)です。 経済学的には、所得を生む主体は労働と資本の2つしかありません。労働が所得を生むことは誰でも理解できるでしょう。所得を生む資本とは、賃料を得られる土地建物、利子を生む貯金、配当金を出している株券、価値が上がる希少絵画などです。だから、資本さえ所有していれば、労働なしでも所得、つまり収入が得られてしまいます。労働なしで金銭を得るなど、社会的には好ましくないので、…