京都図案会事務所が発行していた『京都図案会誌』については、「京都工芸繊維大学美術工芸資料館で「図案家の登場ーー近代京都と染織図案Ⅲ」展が始まった - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである。明治36年に設立された京都図案会の初期の活動が分かる重要な史料である。また、交流のある図案家、画家、文化人の団体や展覧会などに言及されている点も見逃せない。 たとえば、小美術会に関する次のような「時報」がある。 第2号(明治37年7月7日) ◎小美術会 同六月の例会を同一日浅野古香氏宅に於て開きたるが谷口香嶠氏隣席し会員の製作品に批評を加へたり猶七月の例会を来る一日西川一草亭氏宅に於て開くと第3号(明…