* 夏の花おうまがときに咲き誇るパークサイドの街灯のなか まなざしの光りのおおく吸われゆく雨期の花咲くみどりの小径 うそがまだやさしい真昼 緊縛のバニーガールをひとり眺むる 歌碑を読む老人ひとり古帽のかげに呼ばれてやがて去るなり 十七音かぞえながらか指を折るひとりの少女図書館に見る 季語忘る冬のベッドよなぐさみにならぬあかときわれを焼くのみ 視るたびに顔がちがってゐるくせにおなじ声音で話すかの女ら ところどころ干割れたるものわれに寄すわが誕生日なり 石眺む そしてまた深き穴もて傷埋めんとするに落陽遠く おもいでもあらじといいてさみしさもうつくしいのはきみのやまなみ みささぎにかかる光りかおれた…