浅田次郎『歩兵の本領』 今日は読書の話です。浅田次郎の『歩兵の本領』。 高度成長時代の1970年頃に、自衛官となって生きる若者たちの姿を描いた短編集で、文庫本で30ページほどの小説が9篇収録されている。書かれたのは2000年前後で、2001年に短編集としてまとめて出版された。 浅田次郎が若い頃、自衛隊に入隊していたことは知られている。高校卒業後、大学受験に失敗した後、陸上自衛隊に入隊し、2年間の勤務の後任期満了で除隊。入隊は、市ヶ谷駐屯地で自決した三島由紀夫の行動を少しでも理解したいという動機からだという。奇しくも自身の配属がその市ヶ谷駐屯地となり、この小説の舞台もその場所となっている。 浅田…