浜崎 洋介(はまさき ようすけ、1978年10月28日- )は、 日本の文芸批評家。東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻修了、博士(学術)。日本大学にて非常勤講師をつとめる。専門は日本近代文学、批評理論、比較文学。著書に『福田恆存 思想の〈かたち〉―イロニー・演戯・言葉』(新曜社)や『反戦後論』(評論集・文藝春秋)などがある。
「耳なし芳一」を書いた小説家、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンは、アメリカに住む友人あての手紙の中に、日清戦争の勝利が日本人にもたらすであろう影響について次のように書いていました。 「今回の戦争は何としてもひどい事件だ。これによって日本は、家康時代のように完全な独立国になるだろうが、しかしそれが日本にとって最善のことなのか私にはもはや保証できない。国民は依然として善良だが、上流階級は腐敗してきている。昔の礼節、昔の信義、昔の温情は日に照らされた雪のように消えつつある」エルウッド・ヘンドリック宛、1894年(明治27年)9月 平井呈一訳『明治文学全集48 小泉八雲集』 日本を愛し、日本に帰化した…
一条真也です。『三島由紀夫 なぜ、死んでみせねばならなかったのか』浜崎洋介著(NHK出版)を読みました。「シリーズ・戦後思想のエッセンス」の1冊です。著者は、1978年生まれ。文芸批評家。専門は日本近代文学、批評理論、日本の保守思想。雑誌『表現者クライテリオン』編集委員。すばるクリティーク賞選考委員、日本大学と東京工業大学の非常勤講師も務める。日本大学芸術学部卒、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程修了。博士(学術)。著書は『福田恆存 思想の〈かたち〉――イロニー・演戯・言葉』(新曜社)、『反戦後論』(文藝春秋)など。 本書の帯 本書の帯には、空手着姿で正拳突きをする三…
表現者クライテリオン 2024年5月号ビジネス社Amazon まず、『表現者クライテリオン』の最新号発売のお知らせです。 今回の特集は「不信の構造、腐敗の正体――政治・エンタメ・財務省」。他者に対する「不信」が増せば増すほど、その信頼の穴をシステムで埋め合わせねばならず、社会がシステム化すればシステム化するほど、そのシステムに依存した、あるいは、そのシステムに甘えた「腐敗」が蔓延する……その状況を正確に認識し、それを克服する「思想」を描き出すこと、それが今号の主題です。 実際、「コンプラ」や「ポリコレ」といった矮小な観念(システム)がこれほど持て囃されている時代もないにもかかわらず、いや、持て…
特段、参考にしている思想家や哲学者というのは、いないですね。 あまり詳しくもないです。学問としての思想や哲学に関心があまりないので、学問として体系的に勉強もしてません。 自分で物を考える際の助けとするべく、手段として他者の思想や哲学を虫食い的に参照することもある程度です。 という前置きはさせていただいた上で、西部邁からは影響を受けてます。西部邁からしたら僕は個人主義者な戦後日本人でありジャップだと思われますが、そんな僕でも西部邁の話を聞いていると魂が揺さぶられる時があります。 あと最近の人だと、浜崎洋介氏もYouTubeで話を聞いたり本を読んだりしてますね。西部邁の弟子だった人で、西部邁からの…
このことについて書くのは面倒なのだが書いておく。私の立場(?)を説明したほうがフェアだと思うからだ。私は浄土真宗の信徒で生長の家の師友だ。生長の家は改宗しないタイプの宗教だ。だから私のように浄土真宗の信徒で生長の家の師友ということもあるしほかの宗教の信徒で生長の家の師友ということもあり得る。 生長の家は極右だった。いわゆる右のひとたちは生長の家と聞くと今でも仲間だと思うひとが多い。 ただ生長の家は戦前はリベラルだった。だが戦後は右翼もしくは極右。生長の家は戦前から戦後にかけてあまり変わらなかった。変われなかったともいえる。だが日本の現実は大きく動いていった。そのなかで思想上の妥協もあったり混乱…
日曜日は仕事が休みである。別に用事はない。何をしても自由である。だが、この「自由」というのが問題である。何をして時間を過ごせばいいのか、一人暮らしをもう12年しているのに、一向に見当がつかないのである。 大学時代、私は大学の近くの下宿に一人で住んでいた。下宿仲間も多かったので、休みの日も寂しくはなかったと思う。ただ、夏休みになると実家に帰省する友人も多く、誰にも会えない日が立て続く時があった。あの頃、自分は何をしていただろう。 大学院時代は孤独だった。同級生は皆就職してしまって、誰も周りにいなかった。私の大学院時代はあまりにも失敗続きだったので、今後何かをする時は、必ず参照するべきであると自覚…
表現者クライテリオン 2024年3月号ビジネス社Amazon まずは『表現者クライテリオン』最新号のお知らせです。 今回の特集は「日本を救うインフラ論—今、真に必要な思想」です。 今年の初めに起きた能登半島地震で、改めて明らかになったと思いますが、私たちの生活と暮らしを守る要に「インフラ」が存在しています。ところが、ここ30年間、「公共事業は無駄」「コンクリートから人へ」といった歯の浮くような軽薄なフレーズと共にインフラ論は無視され続けてきました。ただでさえ、インフラ(下部構造)は、私たちの無意識の内に隠れやすいというのに(私たちの国土に埋め込まれた道路、鉄道、水道、ガス管、電気——それに国土…
www.youtube.com 昨日まで風邪で寝込んでいて色々と仕事が滞っているにも関わらず(汗)、明日2月9日(金)19時~、いつもの文春ウェビナーで、與那覇さんと「『保守』と『リベラル』、それぞれを叱る」という対談をやります(…汗)。 これは、『文藝春秋』でやる新リレー連載〈「保守」と「リベラル」のための教科書〉スタート記念企画ということですが、以下に、文春ウェビナーの紹介文を上げておきます。ご参照ください。 ◆新リレー連載〈「保守」と「リベラル」のための教科書〉スタート記念企画 月刊「文藝春秋」では、2024年2月号より、文芸批評家の浜崎洋介さんと評論家の與那覇潤さんによるリレー連載〈「…
2024/01/27 (土)19:00 - 21:00 宮崎かすみ×川本直 「ゼロからわかるオスカー・ワイルド」『オスカー・ワイルドの軌跡』(マール社)『吉田健一に就て』(国書刊行会)W刊行記念 『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』(河出書房新社)文庫化記念 本屋B&B https://bb240127a.peatix.com オスカーワイルドの軌跡 作者:ジュリエット・ガーディナー マール社 Amazon 吉田健一に就て 作者:川本直,樫原辰郎,武田将明,伊達聖伸,佐藤亜紀,大野露井,高遠弘美,渡邊利道,堀田隆大,山﨑修平,小川公代,小山太一,渡辺祐真,浜崎洋介,山中剛史,中西恭子,大塚健太…
公文俊平情報塾(第二期)読書会イベント「万物の黎明」編に参加、発表、議論に参加した。 公文俊平先生の指定する書籍を読んで感想を語り合う会。第一回は話題の『万物の黎明』(デヴィッド・グレーバー (著), デヴィッド・ウェングロウ (著), 酒井隆史 (翻訳))。 参加者の発表と議論の内容は、雑誌「イコール」創刊号(4月)で掲載される予定。 万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~ 作者:デヴィッド・グレーバー,デヴィッド・ウェングロウ 光文社 Amazon 発表用の図メモ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 昼食:横浜そごう10階の「はし屋」で、娘一家(夫婦と二人の孫)、息子一家(夫婦と生ま…
www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com 先月11日に開催された「京都大学レジリエンス・フェスティバル」(藤井聡編集長総合司会)の動画です。 ただ、「医療レジリエンス」の回(森田洋之氏×宮沢孝幸氏)だけ、YouTubeではバンされるということで動画が作れませんでしたが(……国家の言論統制を批判するなら、サヨクの皆さんには、是非、YouTubeの言論統制についてもご議論いただきたいと思います)、その他、放送可能な①「自然災害レジリエンス」(鎌田浩毅氏×白水靖朗氏)、②「経済レジリエンス」(柴山桂太氏×森永卓郎氏…
表現者クライテリオン 2024年1月号 [雑誌]ビジネス社Amazon バタバタしていて告知が遅れてしまいましたが、『表現者クライテリオン』の最新号が発売になりました! 特集は「『政治と宗教』を問う――神道・仏教からザイム真理教まで」。今号から表紙デザインがリニューアルされましたが、内容的にも力が入っています。 まず、宗教学者の島薗進先生と施光恒さんを迎えての巻頭座談会「日本人よ、自らの“宗教性”を自覚せよ」(島薗進氏×施光恒氏×藤井聡氏×柴山桂太氏)にくわえて、2つの特別インタビュー①「ザイム真理教という『カルト』による国家破壊」(森永卓郎氏/聞き手 藤井聡氏)、②「イスラーム法学者に聞く、…
昨日早稲田大学で國策研究會主催の浜崎洋介氏講演会に出向いたが、講演後にいくつかあった質問がどれもまあ無礼なものばかりで、俺はやっぱりこういうのは出来ねえな、と改めて思った。 もっとも、これが政治運動ならば、悪魔でも気の良いやつとは取引してやろうかというくらいには丸くなってきた三十代だが、言論活動となると、なかなかそうはいかない。私はあくまでも、純粋にこれをやりたいから、信頼し合える相手以外とはとても協同できず、それ故にいつでも一人か少数の仲間しか得られないわけだ。それじゃあだめだとわかっていても、こればかりは性分だからそう易々と変えられるものでもない。 それはそうと、帰りに先般発売のクライテリ…
www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com 先々週にやった茂木誠×浜崎洋介トークイベント@上野「江戸思想を考える」が、早速、動画としてシリーズ化されたようです。茂木先生の仕事の速さには、本当に頭が下がります。茂木先生、ありがとうございます! しかし、観客を目の前にすると、ついつい熱が入ってしまう性格なんでしょうね、所々激してますが——特に2本目(笑)——そんなんでもよろしければ、是非(…
そして吉田健一といえば、すごい本が出ましたね。 川本直・樫原辰郎・武田将明編『吉田健一に就て』(国書刊行会、2023/10/24)です。 外ならぬ吉田健一の著作に『英国に就て』がありますが、これを当人に差し向けたわけですね。目次は以下の通り。 川本直「序文」 I. 文明 伊達聖伸「宗教と世俗の歴史から見た人新世の吉田健一」佐藤亜紀「ヨオロッパの世紀末」 II. 言葉 大野露井「Quuely Nativeーー奇妙にぺらぺら」高遠弘美「静寂と響きーー吉田健一に教へられた詩の世界」 III. 近代 渡邊利道「吉田健一と近代」樫原辰郎「モダニズムの忘れもの」 IV. 酒肴酒 堀田隆大「吉田健一と「飲む…
11/11 (土)19:00 - 21:00 渡辺祐真/スケザネの「現代文学」から考える「世界」と「言葉」 ~作品の読み方から感想の書き方まで~ 第8回 隣町珈琲 http://ptix.at/liD7Gy 吉田健一に就て 作者:川本直,樫原辰郎,武田将明,伊達聖伸,佐藤亜紀,大野露井,高遠弘美,渡邊利道,堀田隆大,山﨑修平,小川公代,小山太一,渡辺祐真,浜崎洋介,山中剛史,中西恭子,大塚健太郎,礒崎純一,富士川義之 国書刊行会 Amazon 合本 考えるヒント(1)~(4)【文春e-Books】 作者:小林秀雄 文藝春秋 Amazon 物語のカギ: 「読む」が10倍楽しくなる38のヒント 作…
攻殻機動隊のグローバルサイトなるものが立ち上がり、その中で士郎正宗へのインタビューがあるのが話題となっているが、他にも論考記事が掲載されている。 普段、こういう記事へのリアクションはブクマでしているし、これらの記事についてもブクマでもよかったのだが、複数の記事に分かれていたりするので、まとめてブログに書いておくことにした。 なお、攻殻機動隊については現在、ヤンマガのサイトで原作が無料公開されているので、そっちも読んでいる。 以前読んだはずなのだが、完全に内容を忘れている。ただ、部分部分覚えているところがあったり、あるいはアニメで見たから覚えのある箇所とかもある。 『2』は未読だったはず。 個人…