65歳を過ぎてから、映画を撮りたいと思う。 『海が走るエンドロール』は、その一歩を静かに、でも力強く描く漫画だ。夫に先立たれ、子どもも独立し、これからの時間をどう過ごすのかを考えていた女性が、映画館でひとりの美大生と出会う。 主人公は、茅野うみ子。彼女は、映画を観るのが好きだった。だが、自分が映画を作る側へ行くとは思っていなかった。年齢のこともある。生活のこともある。これまで積み重ねてきた役割もある。今さら何かを始めるには遅いのではないか、という気持ちもある。 そんなうみ子が、映像専攻の美大生・海(カイ)と出会う。その出会いをきっかけに、彼女は気づいてしまう。自分は映画を観るだけではなく、映画…