『千利休の功罪』(pen books)を読み、本書を知った。海音寺潮五郎の戦前の代表作といわれる。「東京日日新聞」(昭和15年7月12日から12月28日)に連載された小説。”『茶道太閤記』で描かれた利休と秀吉の対立関係の構図が、野上弥生子の『秀吉と利休』や井上靖の『本覚坊遺文』といった、その後の利休モノでも踏襲されることになる。”(上掲書、p116)と記されていたので関心を抱いた。近年の利休モノを数冊読み継ぎ、やっと利休モノ小説の魁けになるような本書に溯ってみたくなった。1990年2月に文庫本になっている。入手した手許の本は1996年1月の第2刷。 海音寺潮五郎は、中編『天正女合戦』という小説…